2013 Fiscal Year Annual Research Report
腎機能障害に伴うリン過剰に応答するリン感受性機構とリンセンサーの探索
Project/Area Number |
23591222
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
重松 隆 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (30187348)
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Keywords | リン / FGF-23 / ビタミンD / 血管石灰化 / 慢性腎臓病 / 高リン血症 / リン吸着剤 |
Research Abstract |
本研究はリンのセンシングシステムまたはリンセンサー分子の探索を目的としている。そのセンシング刺激としての高リン血症を惹起 するために、アデニン負荷慢性腎臓病(CKD)ラットモデル動物にリン負荷を行い検討した。この結果、リン負荷により対応遺伝子とし てのFGF-23遺伝子は骨組織としての頭蓋骨並びに脛骨並びに脾臓にて発現が増加していた。脾臓におけるリンセンシングシステムは発 現細胞を含め、分担研究者として現在別計画にて研究が進展している。骨組織では骨細胞並びに骨芽細胞にてFGF-23産生すなわちリン感受性が指摘されているため、頭蓋骨組織の器官培養系と分化石灰化可能な骨芽細胞系Cell Lineをを用い検討中である。現在までのところ 、以下のような研究成果が見いだされている。 1)腎臓病ラット由来頭蓋骨では培養液中のFGF-23濃度は高値で、リン負荷に対する感受性が亢進していた。 2)FGF-23遺伝子発現の増強は、活性型ビタミンDある1α,25(OH)2D3の存在が必要なことが判明した。3)リン負荷によるFGF-23遺伝子発現は、活性型ビタミンDある1α,25(OH)2D3の作用と独立して居る可能性が示唆される。 リンセンシングに対応する臓器として、上記の骨組織以外に血管を研究対象としてスタートさせた。高リン血症を伴う患者においては生命予後が悪化する事が明らかにされ、その有力な機序として血管系の異常:特に血管中膜石灰化が示唆されている。このためリンのセンシングシステムの一つとして血管組織を検討した。これまでの血管平滑筋細胞を用いた研究とは異なり、血管組織培養系を用いたex vivoにてリン負荷による血管中膜石灰化の再現実験に成功した。今後はこのex vivo系を用いて遺伝子レベルでのリンのセンシングシステムまたはリンセンサー分子探索を進める。
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[Journal Article] Clinical practice guideline for the management of chronic kidney disease-mineral and bone disorder.2013
Author(s)
Fukagawa M, Yokoyama K, Koiwa F, Taniguchi M, Shoji T, Kazama JJ, Komaba H, Ando R, Kakuta T, Fujii H, Nakayama M, Shibagaki Y, Fukumoto S, Fujii N, Hattori M, Ashida A, Iseki K, Shigematsu T, Tsukamoto Y, Tsubakihara Y, Tomo T, Hirakata H, Akizawa T
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Journal Title
Ther Apher Dial.
Volume: 17
Pages: 247-88
DOI
Peer Reviewed
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