2011 Fiscal Year Research-status Report
拡張型心筋症を伴う常染色体優性遺伝性ネマリンミオパチーの新規原因遺伝子同定
Project/Area Number |
23591233
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 弥生子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90341081)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | ゲノム解析研究 / 原因遺伝子 / ミオパチー / 拡張型心筋症 |
Research Abstract |
拡張型心筋症を伴う常染色体優性遺伝性ネマリンミオパチーの一家系について解析を行った。発症者2名、非発症者2名、発端者の非発症の親ついて当科で開発したSNP HiTLink(Fukuda et al., BMC Bioinformatics. 2009)を用いて連鎖解析を行い、候補領域を定めた。ロッドスコア0.6まで上昇を示している候補領域は約800kbで全ゲノムの約1/4であった。 発端者についてexon enrichmentを行い、次世代シークエンサーを用いて paired endでexome解析を行った。大規模並列処理塩基配列解析で得られたシークエンシングのリード配列をBWA alignment with default setting にてリファレンス配列(hg19)にマッピングを行った。トータルのリード配列は79,617,248 reads (39,808,624 paired)であった。このうち79,127,507 reads (99.38%)がリファレンス配列にマップされ、ペアでは76,815,970 reads (96.48%)がマップされている。リファレンス配列と異なる168,530個の一塩基置換変異(Single nucleotide variation: SNV)を検出した。このうち 遺伝子上では7,849個のSNVを認め、連鎖解析から得られた候補領域内では1,653個のSNVを認めた。既知のデータベース(dbSNP)にない新規SNVは220個であった。新規SNVのうちexon領域のSNVは77個で、このうちcoverage 3x以上でアミノ酸置換を伴うSNVは42個であった。現在、42個のSNVについて家系内変異解析、正常対照者でのスクリーニングを行い病的変異の可能性のある変異の絞り込みを行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家系内の連鎖解析により候補領域は約800kbであることを確認している。発端者におけるexome解析は終了している。トータル79,617,248 readsのリード配列を高いマップ率で得られた。 変異の検出および絞り込みについては、168,530個の一塩基置換変異(Single nucleotide variation: SNV)を検出をした。連鎖解析から得られた候補領域、既知のデータベースにないアミノ酸置換配列についてふるい分けを行い、現在42個の新規SNVについて絞り込みを行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在得られている42個の新規一塩基置換変異(Single nucleotide variation: SNV)について、サンガー法による直接塩基配列解析を用いて発症者での変異を確認後、家系内解析(共分離の確認)、正常対照者でのスクリーニングを行い、候補遺伝子について絞り込んでいく。また、ショートリード配列における挿入/欠失変異についても、候補領域、既知のデータベースから絞り込みを行い、その後、サンガー法による直接塩基配列解析で変異の確認、家系内解析、正常対照者でのスクリーニングを行い候補遺伝子についても絞り込んでいく。 絞りこまれた候補遺伝子については、他の類似症例家系おける変異のスクリーニングを行いたいと考えている。拡張型心筋症を伴うネマリンミオパチーは稀であるため、類似症例が集まりにくい。変異を培養細胞に導入して、機能解析を行うということによっても、病的変異の可能性について検討していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Exome解析で検出された変異について、引き続きサンガー法による直接塩基配列解析を行っていく。変異が同定されたならば、病的変異であることを証明するために正常対照者のスクリーニング、類似症例のスクリーニングを直接塩基配列解析により進める。直接塩基配列解析にはPCR関連試薬、シークエンス反応関連試薬、プライマー作成が必要となる。 候補遺伝子変異が絞り込まれたならば、培養細胞系での機能解析も行い、変異の及ぼす影響について検討を行う。培養細胞および培養試薬を使用する。
|
Research Products
(10 results)
-
[Journal Article] Culture-negative brain abscess with Streptococcus intermedius infection with diagnosis established by direct nucleotide sequence analysis of the 16s ribosomal RNA gene2012
Author(s)
Saito N, Hida A, Koide Y, Ooka T, Ichikawa Y, Shimizu J, Mukasa A, Nakatomi H, Hatakeyama S, Hayashi T, Tsuji S
-
Journal Title
Internal Medicine
Volume: 51
Pages: 211-216
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Increased gene dosage of myelin protein zero causes Charcot-Marie-Tooth disease2012
Author(s)
Maeda MH, Mitsui J, Soong BW, Takahashi Y, Ishiura H, Hayashi S, Shirota Y, Ichikawa Y, Matsumoto H, Arai M, Okamoto T, Miyama S, Shimizu J, Inazawa J, Goto J, Tsuji S
-
Journal Title
Annals of Neurology
Volume: 71
Pages: 84-92
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-