2012 Fiscal Year Research-status Report
ポリグルタミン病ヒト疾患脳における重合体毒性の証明と治療薬開発
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23591235
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 俊昭 新潟大学, 脳研究所, 非常勤講師 (70377191)
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Keywords | ポリグルタミン病 / 重合体 / 神経変性 / DRPLA |
Research Abstract |
【目的】平成23年度の検証に基づきポリグルタミン鎖重合形成を阻害する薬剤の選定を行う。 候補とする薬剤は、これまでのスクリーニング研究で検討されていない生薬成分、内服が可能な低分子化合物等を検討した。 【方法】ポリグルタミン鎖を含む抽出蛋白は、HEK293T細胞に部分DRPLA Q80-mYFPを発現するplasmidをtransfectionにて遺伝子導入し、48時間後にcell lysateを回収することで用意した。検討薬剤は、生薬30種類および、既報にない低分子化合物等を検討した。ポリグルタミン鎖を含んだcell lysateに各薬剤を添加し、37℃で12時間のincubateし、非変性状態で10% ポリアクリルアミドゲル(Wako)にてnative-PAGE(10%ポリアクリルアミドゲル, TG bufferにて20mA定電流x5.5時間泳動)を行なった。蛍光イメージスキャナー(Typhoon9400, GEヘルスケア: excitation 488nm/emission 520nm) にて二量体のバンド検出を行った。各薬剤添加の効果は、濃度依存性にポリグルタミン鎖二量体の蛍光定量値の低下を有し、かつ添加終濃度の定量値が、対照であるDMSO添加の50%以下となっている薬剤を「効果あり」と判定した。 【結果】6種の生薬(構造はポリフェノール属)と1種類の低分子化合物において、ポリグルタミン鎖の二量体形成阻害が確認された。 【今後の方針】in vitroでの有効性があった薬剤について、平成25年度課題として、細胞モデルおよび動物モデル(線虫、transgenic mice)での治療効果検討へ進める計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の課題は、経口内服による現実的な臨床治療が可能な薬剤選定である。このため、他疾患の臨床で使用されている製薬や生薬成分からの薬剤をin vitro実験系でスクリーニングを実施した。 1) 評価系として、阻害ターゲットであるポリグルタミン鎖二量体をnative PAGE法により定量的に検出する方法を確立した。2) 上記の評価系を用いることで、通年的に薬剤の選定を行い、結果として、7剤の効果薬剤(生薬成分および低分子化合物)を選定し得た。 本年度の選定し得た薬剤は、ポリグルタミン病の重合体形成を阻害する分子治療効果を有するものである。次年度のモデル動物を用いた治療効果判定へつながる重要な成果として、順調に研究が遂行されたと自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
【平成25年度】有望な効果薬剤について、実験動物を用いた治療効果判定へ発展させる。 評価系として、ポリグルタミン鎖(40 glutamine repeat)を 恒常発現するtransgenic線虫およびDRPLA transgenic mice(Q129)を用いる。 線虫での評価は、飼育培地中に選定薬剤を添加し摂取させる。このtransgenic線虫は約3週間で寿命であるため、ポリグルタミン鎖の重合・蓄積を簡便かつ短期間に評価しうる利点を有する。評価内容として、蛍光顕微鏡観察、 Western blot解析、Semi-Denaturing Detergent-Agarose Gel Electrophoresis、寿命測定等よる解析を行う。線虫への投与で効果を認める薬剤については、DRPLA transgenic mice(Q129)へ経口摂取を計画し、生存期間、体重、脳重、ポリグルタミン蛋白の免疫染色評価等の治療効果を検討する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
【平成25年度】 上記研究内容の遂行の為、通年的な線虫およびマウスの飼育管理が必要となる。加えて、選定薬剤費用 、Semi-Denaturing Detergent-Agarose Gel Electrophoresisに使用するポリアクリルアミドゲル費用等がおもな直接経費の使用用途である。研究計画上に必要な測定機器はすでに準備済みであるため、高額な設備購入は計画していない。 ・線虫飼育管理費(線虫飼育培地作成, シャーレ, 各種試薬, 薬剤費用)200,000円 ・マウス飼育費用(餌等環境維持費, 薬剤費用)600,000円 ・Gel Electrophoresis関連(抗体費用, ポリアクリルアミドゲル, PVDF,ECL, 現像フィルム) 300,000円
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