2013 Fiscal Year Annual Research Report
GNE遺伝子異常に伴う遠位型ミオパチーの病態解析と治療法の開発
Project/Area Number |
23591251
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Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
熊本 俊秀 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (40134936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 成志 大分大学, 医学部, 講師 (30433048)
中村 憲一郎 大分大学, 医学部, 助教 (70608372)
増田 曜章 大分大学, 医学部, 助教 (50464459)
岡崎 敏郎 大分大学, 医学部, 助教 (00464438)
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Keywords | 遠位型ミオパチー / 縁取り空胞 / GNE / オートファジー / リソソーム / プロテアソーム / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
GNE遺伝子異常による縁取り空胞(RVs)を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)の病態解析と治療法の開発を目的として、GNEノックダウン細胞の機能解析を行った。RVsは自己貪食胞であり、その形成にオートファジー・リソソーム系の関与が示唆されていることから、GNE発現抑制細胞におけるオートファジー系を抑制的に調節する蛋白質の一つであるmTORの活性化について検討した。 陰性コントロールsiRNAを導入した細胞(野生型)と比較して、GNEをノックダウンした細胞では、リン酸化mTORのリン酸化は1.46±0.38倍増加する傾向を示した。Aktのリン酸化は変わらなかった (0.94倍, 1.17倍)。本研究結果より、マウス筋芽細胞由来C2細胞においてGNEの発現抑制によってmTORが活性化する可能性が示唆された。一方、GNEによるmTORのリン酸化はAkt経路を介していない可能性が示唆された。mTORはオートファジー系を抑制的に調節する蛋白質の一つであることから、GNEがmTORの活性化を介してオートファジー・リソソーム系を調節している可能性が推察された。 また、クロロキン投与によるRVs過剰モデル筋について以前に行った網羅的遺伝子解析後で変化がみられた遺伝子のうち、モデル筋ではeLF2alphaのリン酸化及びATF4の減少を認めたことから、eLF2alpha脱リン酸化酵素を選択的に阻害するsalubrinalを投与した。モデル筋では対照に比べ、eLF2alphaのリン酸化は1.3倍に増加傾向を認め、筋線維断面積は不変だったが、RVsを有する筋線維は有意に減少した。現在、さらに細胞モデルにて検討を行っている。
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