2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591263
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三尾 和弘 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (40470041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 知栄 東京医科大学, 医学部, 講師 (50344099)
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Keywords | 核膜 / ラミノパチー / 電子顕微鏡 / タンパク質構造解析 / 中間径フィラメント |
Research Abstract |
A型ラミン(ラミンA)は核膜内面に局在する線維状の中間径フィラメントタンパク質である。他の核膜タンパク質群と結合して核の形状を支持するほか、DNAや転写因子とも相互作用し遺伝子発現の制御にも関わっている。ラミンAや制御タンパク質の変異によってEDMD型ジストロフィーやハッチンソン・ギルフォード早老症症候群などの重篤なラミノパチー(ラミン病)が発症するが、その詳細なメカニズムは十分判っていない。昨年までの研究から、rod領域の中間に位置するcoil1-coil2間リンカー部での自由度が大きく、溶液中で容易に折れ曲がって激しく動き回ることを示し、ラミノパチーの原因の一つと想定されること、1アミノ酸の変異でラミンAの物理化学的性質が大きく変化し、高分子重合の起こり方に変化が認められることを示した。高速AFMを用いたラミンA一分子解析からは、ラミンAがリンカー領域で激しく動き回る様子を動的イメージとして示すことができた。本年度はラミンネットワークを人工的に作成し、そこで起こる核ラミナ複合体の解析を目的に、電子顕微鏡グリッド上にNi-NTA結合脂質膜を形成させ、その上でラミンAの高分子重合化を行った。Ni-NTA結合脂質の比率を変えて検討を行った結果、ポリヒススチジン結合ラミンAを基点に核膜内面で報告されているような網様構造を人工的に作ることに成功した。また複合体の構造解析を目的に、ラミンAのIg-fold領域と相互作用が推定されるemerin、Lap2、SUN1に関する様々な長さの発現系を構築し、相互作用解析を実施した。その結果emerinとSUN1の断片領域にラミンAと強い相互作用を確認し、電子顕微鏡によるデータ収集を行った。
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