2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体内で部分凝集したαシヌクレインがもたらす神経細胞機能異常の解明
Project/Area Number |
23591265
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Utano National Hospital |
Principal Investigator |
山本 兼司 独立行政法人国立病院機構(宇多野病院臨床研究部), その他部局等, 研究員 (50378775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 秀幸 独立行政法人国立病院機構(宇多野病院臨床研究部), その他部局等, その他 (30335260)
山川 健太郎 独立行政法人国立病院機構(宇多野病院臨床研究部), その他部局等, 研究員 (70447960)
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Keywords | αシヌクレイン / パーキンソン病 / レビー小体型認知症 / オリゴマー / ドーパミン / 膜興奮性 / 神経変性 / シナプス伝達 |
Research Abstract |
本研究では、パーキンソン病やレビー小体型認知症の病院と推察されている部分凝集したαシヌクレインがどのような神経機能異常をもたらすかを細胞電気生理学的手法によって明らかにすることを目的としている。前年度までにαシヌクレインオリゴマーが、マウス新皮質錐体細胞の発火頻度を低下させることを見出したが、今年度は、そのメカニズムについて検討した。αシヌクレイン高次オリゴマーを含むαシヌクレイン+ドーパミン溶液(aS+DA)の細胞内投与で生ずるスパイク抑制効果は、電位依存性Ca2+チャンネルの阻害薬であるnimodipine、 Ca2+依存性Kチャンネルの一種でスパイク後過分極(AHP)を担うSK型Kチャンネルの阻害剤であるapaminによって打ち消された。また、オリゴマーを含まないαシヌクレイン溶液投与下に比べてaS+DAでは、連発スパイク後のAHPの持続時間が有意に延長し、AHPによる電荷量が有意に増加した。さらに、aS+DAによる発火抑制やAHP増強は、小胞体Ca2+ストアの枯渇剤であるcyclopiazonic acidによって阻害された。以上の結果より、αシヌクレインオリゴマーは、 SK型Kチャンネルが担うAHPを増強することによって、大脳皮質錐体細胞の膜興奮性を抑制することが明らかになった。また、この膜興奮性抑制は、αシヌクレインオリゴマーが小胞体からのCa2+放出に依存してCa2+依存性を持つSK型Kチャンネルを活性化するメカニズムによって生じていることが示唆された。
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Research Products
(8 results)