2012 Fiscal Year Research-status Report
軸索興奮性測定を用いた糖尿病性神経障害、慢性疼痛の客観的評価と至適治療の確立
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23591267
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
桑原 聡 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70282481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三澤 園子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30375753)
伊藤 彰一 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60376374)
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Keywords | 国際情報交換 / オーストラリア |
Research Abstract |
研究実績の概要は以下のように進んでいる。 (1)痛覚線維選択的刺激による脳誘発電位:正常対照45名、疼痛患者35名において施行した。疼痛患者における痛覚誘発脳電位の一部が亢進する場合があり、末梢神経障害による痛覚伝導路の障害による痛覚過敏・疼痛に対応していると考えられる所見が得られている。 (2)コンピューター制御軸索興奮性測定による末梢神経のイオンチャンネル評価:正常対照100名、疼痛患者35名において施行した。末梢神経障害性疼痛患者では軸索持続性Na電流が増加しており、これによる軸索興奮性増大のために疼痛が惹起されているこ とが示された。Na電流亢進を示す患者10名に対してNaチャネル阻害剤による治療効果を検討中である。 (3)脳血流SPECTによる大脳辺縁系の変化:正常対照10名、疼痛患者5名で施行した。正常対照が20名になると、統計的画像解析が可能になるため現在症例を集積中である。慢性疼痛の初期イベントは末梢神経におめるNaチャネネルの強発現と軸索興奮性増大であり、慢性経過中に脳の感作が進展していることが予想される。この所見を確かめるべく、末梢神経から脳の機能変化について総合的に検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要は以下に示すように、概ね順調に進んでいると考える。 (1)痛覚線維選択的刺激による脳誘発電位:正常対照40名、疼痛患者35名において施行した。目標症例数は正常対照40名、疼痛患者50名であり、目標症例数に近づいている。順次解析を進める予定である。 (2)コンピューター制御軸索興奮性測定による末梢神経のイオンチャンネル評価:正常対照100名、疼痛患者35名において施行した。目標症例数は正常対照100名、疼痛患者50名であり、既に正常対照における検討は目標症例数に達しており、疼痛患者における検索も半数に達している。 (3)脳血流SPECTによる大脳辺縁系の変化:正常対照10名、疼痛患者5名で施行した。統計的画像解析のために必要な正常対照の目標症例数は20名、疼痛患者における症例を集積中である。 上記検討にける現在の所見の集計では疼痛における中枢性感作の作業仮説を支持する結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
疼痛の客観的評価に関する研究のさらなる推進は以下のように予定している。 (1)痛覚線維選択的刺激による脳誘発電位:正常対照、疼痛患症例を目標症例数まで増やし、疼痛患者における痛覚誘発脳電位の亢進が、末梢神経障害による痛覚伝導路の障害による痛覚過敏に対応していることを示す所見が得られつつあり、これをさらに多数症例で検証する。 (2)コンピューター制御軸索興奮性測定による末梢神経のイオンチャンネル評価:末 梢神経障害性疼痛患者では軸索持続性Na電流が増加しており、このために軸索興奮性増大・自発発射によって疼痛が惹起されている。疼痛患者に対してNaチャネル阻害剤による治療効果を検討中である。次年度中に持続性Na電流定量による治療効果の客観的判定について一定の結論を出すことを予定している。 (3)脳血流SPECTによる大脳辺縁系の変化:主例を増やし、統計的解析が可能になるため現在症例を集積中である。 慢性疼痛の初期イベントは末梢神経におめるNaチャネネルの強発現と軸索興奮性増大であり、慢性経過中に中枢性感作が起こるという作業仮説の根拠となるデータを蓄積する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度購入予定だった痛覚線維選択的刺激による脳誘発電位:痛覚線維選択的刺激電極、記録電極については、既にある電極を使用したため、未使用額が発生した。 疼痛の客観的評価に関する研究に関して次年度の研究費使用は以下のように予定している。 (1)痛覚線維選択的刺激による脳誘発電位:痛覚線維選択的刺激電極、記録電極(約60万)。正常ボランティアへの謝金。 (2)コンピューター制御軸索興奮性測定による末梢神経のイオンチャンネル評価:刺激・記録電極、サナログ・デジタル変換ボード維持費。 結果について国際学会にて公表するための旅費。
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Research Products
(1 results)