2011 Fiscal Year Research-status Report
short-form GIPの分泌機構および糖代謝改善機序を解明する
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23591291
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
藤田 征弘 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20451461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本庄 潤 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (30451462)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | GIP / インクレチン / 膵島 / α細胞 |
Research Abstract |
消化管から分泌されるGIPとGLP-1はインクレチンホルモンとして膵β細胞からの血糖依存性インスリン分泌に重要な役割を果たしている。研究代表者らは、新しい‘short-form’ GIPの発現を膵α細胞で確認し,パラクリンでインスリン分泌にかかわっていることを明らかにした。本研究の目的はshort-form GIPのインクレチンとしての作用やその分泌機構を生理学的に明らかし、既知のGIPおよびGLP-1との相違を明らかにすることである。加えて、short-form GIPのアミノ酸を改変し、GLP-1の受容体にも結合するdual agonistを作成する。(1)DPP-4 耐性short-form GIPの治療薬としての可能性の検討:糖尿病モデル動物においてDPP-4 耐性short-form GIPがインスリン分泌促進、β細胞の増殖、アポトーシスの抑制をどのように促すか、機構の解明を行う。Short-form GIPがGIPの膵外感受性臓器である脂肪細胞や骨細胞にどのように作用するか、GIP1-42と比較検討を行う。(2)short-form GIPの生理学的,病態生理学的影響の検討:どのような分泌刺激(栄養素,ホルモンなど)でshort-form GIPが分泌されるか、単離膵島を用いて検討する。また、正常と糖尿病状態において発現・分泌がどう変化するか、さらに糖尿病の病態との関わりを明らかにする。(3)Dual agonistの検索と培養細胞および糖尿病動物での検討:GIPのvariantがGLP-1受容体にも結合するとの報告もあるが、in vitro, in vivoでのインスリン分泌促進効果の検討はあまりなされておらず、β細胞株,単離膵島を用いGIP、GLP-1と比較する。さらに糖尿病モデル動物を用い、糖尿病治療薬としての有用性を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DPP-4 耐性short-form GIPの治療薬としての可能性の検討:GIP 1-30のアミノ酸を一部改変したcompound Aおよびcompound Bを作成した。両compoundとも、DPP-4酵素を加えて分解しても、分解されにくく、GIP受容体に結合し、in vitroで細胞内cAMPを増加させることが明らかになった。マウスに投与した実験では、両compoundとも投与後1時間での有意な血中濃度の上昇を認めた。compound Aは、残念ながら投与後1日目以降の血中濃度に対照マウスと比較して差を認めず、long-acting agonistとしての作用を認めなかった。しかし、conpound Bは、投与後1時間で有意な血中濃度の上昇を示し、さらに投与後1日で血中濃度が頂値となり、その後、約1週間有効な血中濃度の持続が確認できた。short-form GIPの生理学的、病態生理学的影響の検討:研究代表者らは糖尿病状態において膵α細胞機能が異常に亢進してグルカゴンが過剰分泌であることを示した。その際、膵島においてα細胞領域の拡大と細胞数の増加を認め、その一因が糖尿病状態におけるα細胞の増殖亢進であることを見いだした。(Takeda T, Fujita Y et al. Diabetologia 2012.)その後の検討で、膵GIPがグルカゴンと共に過剰発現をしていることが糖尿病モデルで明らかになった。(学会発表予定)以上から、本研究は計画通り概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
DPP-4 耐性short-form GIPの治療薬としての可能性の検討:糖尿病自然発症マウス (db/db, Akita, KKy ) 、高脂肪食マウス、対照マウスに上記のcompound Bを週1回皮下投与し、体重,血圧,血糖値, HbA1cをモニターする。一定期間飼育後、経口ブドウ糖負荷試験、腹腔ブドウ糖負荷試験、インスリン負荷試験を行い、耐糖能、インスリン分泌、インスリン感受性に対する改善効果を評価する。血漿インスリン値やグルカゴンをEIAにて測定する。マウスを屠殺後,膵臓を摘出し、組織学的検討を行う。さらに,脂肪蓄積や骨量への効果を、脂肪CT、骨X線や骨組織像を検討する。以上の効果をmature GIP (GIP1-42)やexendin-4での効果と比較検討する。short-form GIPの生理学的、病態生理学的影響の検討:膵GIPに加え、その標的分子であるGIP受容体の発現を正常、糖尿病モデル、治療介入群で比較検討を行う。short-form GIPを含む活性型GIP測定系の確立を行う。short-form GIPがどのような刺激で分泌されるかは未だ不明である。分泌機構に関しては,単離膵島を用いて検討する。Dual agonistの検索と培養細胞および糖尿病動物での検討:DPP-4耐性遅効型GIP作成のノウハウを生かし、dual agonistを設計・作成し、実験に用いる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
DPP-4 耐性short-form GIPの治療薬としての可能性の検討:正常マウスおよび糖尿病モデルマウスの購入、特殊飼料の購入。インスリン、グルカゴン測定の為のELISAキットの購入。血糖、HbA1c測定チップの購入。免疫組織に必要な抗体の購入。単離膵島またはβ細胞株などの培養実験に必要な酵素、培地、血清、成長因子などの購入する予定である。short-form GIPの生理学的、病態生理学的影響の検討:正常マウスおよび糖尿病モデルマウスの購入する。薬物治療介入に必要な、薬品(インスリン、DPP-4阻害薬、exendin-4など)の購入も必要である。short-form GIPを含む活性型GIP測定系は、ほぼ確立されており、ヒト検体での測定結果について国内外の学会で発表予定であり、旅費を計上予定である。Dual agonistの検索と培養細胞および糖尿病動物での検討:ペプチド合成に関わる費用に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)