2011 Fiscal Year Research-status Report
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23591310
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
川崎 英二 長崎大学, 大学病院, 准教授 (70336171)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 / 自己抗原 / 自己抗体 / 亜鉛 / 診断 / ラジオイムノアッセイ / エピトープ / 病型 |
Research Abstract |
1. ZnT8/ZnT3キメラ蛋白の作成とZnT8抗体エピトープの解析:(1)1型糖尿病患者の自己抗体がZnT8の立体構造を認識する場合、ペプチドライブラリーではエピトープが同定できない可能性があるため、立体構造を保持するためにZnT8とZnT3とのキメラ蛋白を作成し、1型糖尿病発症時のZnT8抗体エピトープを検討した。(2)ZnT8とZnT3の細胞内領域をコードするcDNAを用いて6つのZnT8/ZnT3キメラcDNAを作成しexpression vectorへ挿入しradioligand binding assayによりepitope解析をおこなった。(3)ZnT8のC末端aa360-369(10残基)をZnT3の相同部分に置換したところ、約40%の1型糖尿病患者でaa325との反応が消失した。(4)しかし、ZnT8のC末端aa358-369を有するキメラ蛋白にはすべての血清が反応せず、このエピトープは3次元構造を認識していることが分かった。(5)3次元エピトープを有する患者の頻度は急性発症1型糖尿病で高く、1型糖尿病の発症年齢が有意に低かった。2. ZnT8抗体のアイソタイプ解析システムの構築:(1)Th1またはTh2免疫現象を反映しているZnT8抗体の免疫グロブリン・アイソタイプを、抗免疫グロブリン・アイソタイプ抗体を固定化したセファロースビーズとradioligand binding assayにより解析した。(2)1型糖尿病患者のZnT8抗体は、IgG1優位であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ZnT8/ZnT3のキメラ蛋白によるZnT8抗体エピトープ解析法を確立し、病型別の相違について明らかにし、初年度の目的を達成したが、ZnT8のファージディスプレイライブラリーの作製はまだ進行中であり、平成23年度中に完了できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ZnT8のファージディスプレイライブラリーの作製を進め、調整されたファージライブラリーによりZnT8抗体陽性緩徐発症1型糖尿病患者のプール血清を用いて、抗体に結合性のあるファージをクローニングし(パニング)、得られたZnT8 cDNAとradioligand binding assayを用いてZnT8抗体エピトープ解析システムを構築する。得られたZnT8抗体エピトープのcDNAを用いて、経時的に保存されている緩徐発症1型糖尿病血清にてZnT8抗体エピトープをradioligand binding assayにより解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.ZnT8抗体アイソタイプの動態解析: 構築したZnT8抗体アイソタイプ解析システムを用いて、ZnT8抗体陽性緩徐発症1型糖尿病血清におけるZnT8抗体アイソタイプの動態解析とインスリン依存状態への進展との関連性を解析する。2.ZnT8のファージディスプレイライブラリーの作製: ZnT8のペプチド(10~20アミノ酸)をファージ表面へ発現させるランダムファージディスプレイライブラリーを作製する。
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