2013 Fiscal Year Annual Research Report
mtROSとmtDNA修復酵素POLGの糖尿病合併症への関与とその制御による治療
Project/Area Number |
23591312
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西川 武志 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (70336212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 龍也 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (70398204)
久木留 大介 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (10555759)
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病合併症 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
申請者らは糖尿病血管合併症発症機序として「高グルコースによるミトコンドリア由来活性酸素過剰産生」の意義を提唱している。本年度はこの仮説をさらに発展させたものとして、主に以下の1-3の検討を行った。 1. 前年度までに、培養血管内皮細胞において、正常酸素濃度下にもかかわらず25 mMグルコース培養では5.5 mMグルコース培養に比し、細胞内低酸素状態が誘導されることを、低酸素プローブPimonidazole HCl染色とHIF-1発現、VEGF発現によって確認していたが、今年度はさらに低酸素プローブLOX-1を用いたリン光染色法においても、同様の現象が認められることを確認した。2. 25 mMグルコース培養による細胞内低酸素状態誘導の機序を検討するため、細胞膜への酸素通過を制御すると考えられるアクアポリン1の発現状態について検討した。25 mMグルコース培養では5.5 mMグルコース培養に比し、アクアポリン1の発現誘導が確認された。細胞内低酸素状態の誘導により、アクアポリン1の発現誘導が生じた可能性が高いと考えた。今後25 mMグルコース培養によるミトコンドリアでの酸素消費亢進の可能性について検討する予定である。3. 前年度までに、培養血管内皮細胞において、低酸素濃度下培養がミトコンドリア由来活性酸素を増加させることを、還元型mitotracker red probeを用いて確認した。現在、その機序として、細胞内へのグルタミン取り込み亢進に伴うTCAサイクル-ミトコンドリア電子伝達系亢進の可能性を検討しているが、まだ再現性のあるデータは得られていない。 以上のように、現在までに、高グルコース培養により組織内低酸素状態が誘導される可能性と、またこの低酸素状態がミトコンドリア由来活性酸素を増加させている可能性を明らかにしているが、さらに詳細の機序を明らかにしていく必要がある。
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[Journal Article] Association between circulating leukocyte subtype counts and carotid intima-media thickness in Japanese subjects with type 2 diabetes.2013
Author(s)
Matsumura T, Taketa K, Motoshima H, Senokuchi T, Ishii N, Kinoshita H, Fukuda K, Yamada S, Kukidome D, Kondo T, Hisada A, Katoh T, Shimoda S, Nishikawa T, Araki E
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Journal Title
Cardiovasc Diabetol
Volume: 12
Pages: 177-186
DOI
Peer Reviewed
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