2011 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドロームに対する分子標的療法の開発
Project/Area Number |
23591318
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岸田 綱郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00370205)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / iPS細胞 / 褐色脂肪細胞 |
Research Abstract |
褐色脂肪細胞は、肥満やII型糖尿病の制御に重要な意義を持つが、その研究は従来、マウスやラットを対象として発展してきた。ヒトの褐色脂肪細胞は、入手が困難であり、そのプロフィールには不明な部分が多かった。我々は最近、ヒトiPS細胞から褐色脂肪細胞を誘導する技術を開発したので、正常人や患者より褐色脂肪細胞を大量に調整する事が可能となった。本プロジェクトではこの技術を基盤として、in silico 分子進化法とスーパーコンピューターを用いた論理的創薬システムの技術を融合させることにより、ヒト褐色脂肪細胞の分化誘導あるいは増殖させるための分子標的薬剤の開発を目指す。本研究の成果は、内臓型肥満症やII型糖尿病に対する全く新しい分子標的治療の創出に繋がる可能性がある。 ゲノムに外来遺伝子のインテグレーションの無いヒト褐色脂肪細胞を、ヒトiPS細胞から誘導する系を、EBVエピゾーマル・ベクターを用いて立ち上げる。さらにその系を用いて、候補分子として、褐色脂肪細胞の誘導にポジティブに働いていると考えられる転写因子(BMP7、C/EBPβ、PGC-1α、PPARγ)や、ネガティブに働いていると考えられる転写因子(MyoD、Myo5、MEF2、MRF4)を制御し、もっとも効率の良い分化誘導パターンを見出す。それらの研究データをもとに、連携研究者の田村裕(千葉大学)が独自に開発した「論理的創薬システム」を用いて、上記の候補分子を制御して褐色脂肪細胞の分化を誘導できるペプチドの配列の決定する。in silicoで算出した配列のペプチドを合成し、in vitro、in vivoの両面で褐色脂肪細胞の分化誘導効率と増殖について検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究のスタート時点での褐色脂肪分化誘導効率と比較して飛躍的に向上できる導入遺伝子の組み合わせにを既に見出している(20%→80%)。また誘導に必要な時間の短縮できるようになっている(40日→12日)。またゲノムに対するインテグレーションの無い褐色脂肪細胞も得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム・インテグレーション。フリーの分化誘導系が確率されてきたので、次年度はいよいよ分子進化法により得られたペプチドのスクリーニングを行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、ペプチドの合成と、リアルタイムPCR関連に重点的に研究費を使用していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Interleukin-28B acts synergistically with cisplatin to suppress the growth of head and neck squamous cell carcinoma.2011
Author(s)
Yoshimoto K, Kishida T, Nakano H, Matsui M, Shin-Ya M, Shimada T, Nakai S, Imanishi J, Takeuchi M, Hisa Y, Mazda O.
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Journal Title
J Immunother.
Volume: 34(2)
Pages: 139-48
DOI
Peer Reviewed
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