2011 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性腎症の発症・進展における多機能性生理活性ペプチドサリューシンβの役割
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23591322
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
守屋 達美 北里大学, 医学部, 准教授 (50191052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 哲秀 北里大学, 医学部, 助教 (60276144)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎症 |
Research Abstract |
新規人工透析導入の原疾患の第1位である糖尿病性腎症の有用な診断、予後判定のマーカーは存在しない。本研究は、大血管および細小血管病変である糖尿病性腎症の正常アルブミン尿期~顕性蛋白尿期に正確な腎機能検査と血漿サリューシン-β濃度の測定を行い、サリューシン-βの糖尿病性腎症発症・進展における病態生理学的役割を解明する。特に発症進展を予測する早期診断マーカーとなりうるか検討することを目的とする。また、臨床的に得られるデータ、例えば尿アルブミンや腎機能との関連、特に腎症の特徴的所見である糸球体過剰濾過との関連を明らかにする。 2011年4月から2012年3月までに、外来通院糖尿病患者48例にiohexol静注法による腎機能(GFR)測定を行った。そのうち、10例において血漿サリューシンβおよび尿中IV型コラーゲンの測定が終了している。今後、総例数を増やすとともに、血漿サリューシンβの測定を進める。さらに、血糖コントロール状況、血圧コントロール状況、尿中アルブミン、GFRなど各種臨床パラメータなどとの比較検討を行う。一方で、糖尿病性腎症の治療薬として有用とされるレニンーアンギオテンシン系抑制薬(特に、angiotensin II receptor blockade)を使用した治療的介入を行い、その際のサリューシン-βの変化を解析することで、予後判定のマーカーとなりうるかどうかの検討も行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年4月から2012年3月までに、外来通院糖尿病患者48例にiohexol静注法による腎機能(GFR)測定を行った。iohexol静注法によるGFR測定は,患者同意が必要であるが、昨今の医療を取り巻く状況は厳しく、同意を得られる患者数には限りがあった。サリューシンβの測定も昨年度は当施設での測定を可能とする、環境作り,システム作りに着手し、それに一定期間を費やした。上記はほぼ実現可能となったため、今年度は更に例数を増やし、解析に足るだけの測定数を確保することを目標とする。
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Strategy for Future Research Activity |
1)引き続き、患者数の増加を図る。2)すでにストックしてある血漿検体のサリューシンβおよび尿検体のIV型コラーゲンの測定を遂行する。3)腎症の進行抑制を目的とし、レニン・アンギオテンシン系の抑制薬を用い、治療的介入によるサリューシン-βの変化を解析することで、予後判定のマーカーとなりうるかどうかの検討も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)国内外の学会に成果発表(100千円)2)通信費,会議費,印刷費(200千円)3)試薬/消耗品(150千円)
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Research Products
(2 results)