2011 Fiscal Year Research-status Report
主要組織適合遺伝子複合体領域の1型糖尿病遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
23591328
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
川畑 由美子 近畿大学, 医学部, 准教授 (80423185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 博司 近畿大学, 医学部, 教授 (20221062)
能宗 伸輔 近畿大学, 医学部, 講師 (90460849)
馬場谷 成 近畿大学, 医学部, 講師 (10449837)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 |
Research Abstract |
(1)日本人における1型糖尿病のHLAクラスII疾患感受性ハプロタイプは、DRB1*04:05-DQB1*04:01(DR4ハプロタイプ), DRB1*08:02-DQB1*03:02(DR8ハプロタイプ), DRB1*09:01-DQB1*03:03(DR9ハプロタイプ)である。これらの疾患感受性ハプロタイプの作用様式の相違を明らかにするために、1型糖尿病の3つのサブタイプ(急性発症典型、劇症型、緩徐進行型)において、それぞれのハプロタイプと疾患感受性との関連を解析したところ、急性発症典型では、DR4ハプロタイプ、DR8ハプロタイプとDR9ハプロタイプのいずれも疾患感受性との関連を認めた。劇症型はDR4ハプロタイプが強い感受性を認めたが、DR8ハプロタイプは関連を認めなかった。緩徐進行型では、急性発症と同様の傾向を示した。さらに、病型別に発症年齢と尾関連を解析した結果、DR8ハプロタイプが急性発症典型の若年発症で有意に高頻度を認めたが、さらに症例数を増やして詳細な解析を進めている。(2)4姉妹中3姉妹が1型糖尿病を発症し、残る1人も膵島関連自己抗体が陽性という1型糖尿病濃厚発症家系(4姉妹と母はいずれもDR4ハプロタイプ/DR8ハプロタイプを有している)において、本家系の濃厚発症に関与するrare variantを解析・同定することを目的に、HLA領域以外の既知の候補遺伝子(INS, CTLA4, IL2RA, PTPN22, IFIH1) のSNPのタイピングを行なった。さらに、欧米白人で1型糖尿病疾患感受性との関連が認められたPTPN22のSNPは、日本人では多型が認められていない。そこで、この家系のPTPN22のシークエンスを行ない、この家系における濃厚発症へのPTPN22の関与について詳細に解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HLA領域のClassIIのDRB1, DQB1に関連する解析は順調に進展している。また1型糖尿病濃厚発症家系におけるHLA領域以外の解析は順調に進展している。しかし、HLA領域の網羅的タイピングを進めているが、症例を増やす必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
HLA領域の網羅的SNP解析を遂行する。1型糖尿病との合併頻度の高い自己免疫性甲状腺疾患についてのHLA領域の解析を行い、1型糖尿病との比較検討を行うことにより、臓器特異性免疫とHLA領域の関連を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額:2,707円(試薬購入に関して余剰金が発生した)平成24年度研究費:900,000円使用計画602,707円:分子遺伝学的実験試薬およびキットの購入300,000円:学会発表のための旅費
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Research Products
(3 results)