2012 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージのCOX-2を介したPPAR活性化機序と動脈硬化抑制効果の解析
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23591337
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
竹田 佳代 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (10537088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 栄一 熊本大学, その他の研究科, 教授 (10253733)
松村 剛 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20398192)
石井 規夫 熊本大学, 医学部附属病院, その他 (10599111)
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Keywords | 脂質代謝異常 |
Research Abstract |
①前年度に施行できなかったMMP-9、ABCA1、ABCG1の産生に対するCOX-2過剰発現の影響に関する検討をin vitroの実験系で行い、COX-2過剰発現によりMMP-9の産生抑制、ABCA1、ABCG1の産生増加が起こることを確認した。 ②マクロファージ特異的COX-2-Tgマウスの作成として、以下の1)、2)を行った。 1)マクロファージ特異的COX-2発現ベクターの構築 ヒトSR-Aプロモーターをその上流に持つ発現ベクターを用い、そのプロモーター部位の下流にヒトCOX-2遺伝子を組み込んだ発現ベクター(pSR-A-COX-2)を構築した。次にこの発現ベクターがマクロファージ特異的にCOX-2発現能を持ちうるかを、マクロファージ系腫瘍細胞であるRAW264.7細胞とSR-A発現能をもたない293細胞への遺伝子導入を行い、Western blot法、Real-time RT-PCR法にて確認した。 2) マクロファージ特異的COX-2-Tg-apoE-KOマウスの作成(in vivo) 1)で作成したpSR-A-COX-2をもとに、マクロファージ特異的COX-2-Tgマウスの作成を申請者の所属する大学の専門施設(熊本大学 生命資源研究・支援センター 動物資源開発研究部門)に依頼した。作製したキメラマウスを交配し、尾部より回収したDNAを解析することでマクロファージ特異的COX-2-Tgマウスの生成を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、マクロファージ特異的COX-2-Tg-apoE-KOマウスの作成が主目的であった。Tgマウス作成用のプラスミド構築も順調に終了し、熊本大学 生命資源研究・支援センター 動物資源開発研究部門へのTgマウス作成依頼を行い、その後無事にTgマウスを享受し、現在このマウスについてCOX-2がマクロファージ特異的に発現しているかを確認中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、本来の実験計画では作成したTGマウスについてCOX-2がマクロファージ特異的に発現しているかを確認する予定であったが、当施設の動物実験施設の感染ウイルス問題などにより実験進行に予定以上に時間がかかってしまったので、実施できなかった。このことを踏まえて本年度は、上記の実験を含めて以下に示す内容の実験を遂行する予定である。 ①マクロファージ特異的COX-2-Tg-apoE-KOマウスについてCOX-2がマクロファージ特異的に発現しているかを確認する。 ②マクロファージ特異的COX-2-Tg-apoE-KOマウスを用い、このマウス(8週齢)に対し、高コレステロール食付加を6週間施行し、以下の検討を行う。 上下行大動脈の組織を採取し、大動脈を切開・展開したのちにホルマリン固定を行い、Oil-Red-O染色を行うことで粥状動脈硬化巣の進展度をマクロで観察する。さらに、マウス大動脈洞部(大動脈弁上部)を採取ののち同組織の凍結切片を作成し、H&E染色、Oil-Red-O染色を行うことで大動脈洞部での粥状動脈硬化巣の進展度を観察する。加えて、採取した大動脈組織及び作成した大動脈洞部の凍結切片に対し、TNF-α、MCP-1、MMP-9、ABCA1、ABCG1発現量をReal-time RT-PCR法及び免疫組織染色法にて解析する。また、同組織でのPPARα、γの転写活性をコマーシャルベースのELISAキットにて測定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①作成したTGマウスでのマクロファージ特異的COX-2発現の確認に必要なreal-time RT-PCR用物品・試薬とPCRプローブの購入費、目的タンパクの同定に必要なWestern blot用物品・試薬と特異抗体の購入費として、前年度繰り越しを行った543,411円を使用する予定である。 ②作成したTGマウスの維持費、高脂肪食負荷用の飼料費用、上下行大動脈の組織の切片作成、Oil-Red-O染色、TNF-α、MCP-1、MMP-9、ABCA1、ABCG1発現量の解析に必要なReal-time RT-PCR法及び免疫組織染色法にかかる費用、また、同組織でのPPARα、γの転写活性をコマーシャルベースのELISAキットにて測定するための費用に、1,100,000円を使用する予定である。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Apocynin suppresses the progression of atherosclerosis in apoE-deficient mice by inactivation of macrophages.2013
Author(s)
Kinoshita H, Matsumura T, Ishii N, Fukuda K, Senokuchi T, Motoshima H, Kondo T, Taketa K, Kawasaki S, Hanatani S, Takeya M, Nishikawa T, Araki E.
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 431
Pages: 124-130
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 肥満症例におけるインスリン頻回注射療法からGLP-1受容体作動薬への変更による短・中期的効果の検討2012
Author(s)
渡辺栄一郎, 下田誠也, 古川昇, 河島淳司, 瀬ノ口隆文, 竹田佳代, 岩下晋輔, 久木留大介, 井形元維, 石井規夫, 前田貴子, 阪口雅司, 荒木栄一
Organizer
第55回日本糖尿病学会年次学術集会
Place of Presentation
パシフィコ横浜,パンパシフィック横浜ベイホテル東急(神奈川)
Year and Date
20120517-20120519
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