2011 Fiscal Year Research-status Report
AMPD1による新規骨格筋インスリン感受性調節機構に関する基礎的検討
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23591342
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
平瀬 徹明 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子生物学部, 室長 (60363446)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | AMP deaminase |
Research Abstract |
骨格筋はインスリンの最大の標的臓器のひとつであり、骨格筋インスリン感受性は肥満により低下し、これが糖尿病の発症・進展に重要な役割を果たすことが示されてきた。AMP deaminase (AMPD)はプリンヌクレオチドサイクルにおける主要なAMP分解酵素であり、細胞内ATPレベルの調節を介して骨格筋エネルギー代謝を制御する。骨格筋に選択的に発現するアイソザイムであるAMPD1とヒト代謝性ミオパチーの関連やインスリンクリアランスの相関が報告され、AMPD1の骨格筋代謝調節を介した糖・脂質代謝調節への関与が推測される状況にある。骨格筋におけるインスリン抵抗性へのAMPD1の関与を明らかにするため、本年度は培養骨格筋細胞株C2C12においてインスリンシグナル活性化の検出法の確立、パルミチン酸によるインスリン抵抗性(インスリンシグナルの減弱)モデルの作成を行った。これを用いてインスリン抵抗性誘導時のAMPD1遺伝子・蛋白発現及びAMPD1活性を評価し、インスリン抵抗性増強時におけるAMPD1活性の亢進を見出した。次にインスリンの重要な作用である骨格筋糖取り込みへのAMPD1の関与を明らかにするため、C2C12細胞を用いて14C標識グルコース取り込みを評価するための実験系を確立し、インスリンによる14C標識グルコース取り込みの増加とパルミチン酸によるインスリン抵抗性誘導時の14C標識グルコース取り込み減少を確認した。現在、AMPD1ノックダウンによりインスリン感受性糖取り込みが増加するか否か検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.培養骨格筋細胞におけるインスリンシグナルに対するAMPD1の作用の検討培養マウス骨格筋細胞C2C12において、インスリン刺激によるリン酸化酵素aktを介したシグナル伝達経路活性化のウエスタンブロッティング法による評価系及びパルミチン酸によるインスリン抵抗性モデルを確立した。次に、C2C12細胞においてRT-PCR法によるAMPD1遺伝子発現の定量、ウエスタンブロッティング法によるAMPD1蛋白発現の定量、HPLC法によるAMPを基質として用いたAMPD1活性定量を確立した。これをもとに、C2C12細胞を用いたインスリン抵抗性モデルにおいてAMPD1遺伝子発現及びAMPD1蛋白発現と酵素活性を検討し、インスリン抵抗性増強時におけるAMPD1活性の亢進を見出した。2.骨格筋細胞における糖取り込みに対するAMPD1の作用の検討C2C12細胞を用いて14C標識グルコース取り込みを評価するための条件設定を行い、インスリンによる14C標識グルコース取り込みの増加とパルミチン酸によるインスリン抵抗性誘導時の14C標識グルコース取り込み減少を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.培養骨格筋細胞におけるインスリンシグナルに対するAMPD1の作用の検討現在成熟骨格筋細胞に分化したC2C12細胞において、siRNAを用いたAMPD1ノックダウンの条件設定中である。分化C2C12細胞において、パルミチン酸によるインスリン抵抗性に対するAMPD1ノックダウンの作用を検討し、骨格筋インスリン抵抗性に対するAMPD1の関与を明らかにする。2.骨格筋細胞における糖取り込みに対するAMPD1の作用の検討C2C12細胞において、インスリンによる14C標識グルコース取り込みの増加とパルミチン酸によるインスリン抵抗性誘導時の14C標識グルコース取り込み減少に対するAMPD1ノックダウンの作用を検討する。これにより骨格筋細胞におけるAMPD1のインスリン感受性糖取り込みへの関与を明らかにする。 生体における骨格筋糖取り込みとインスリン抵抗性によるその減弱をFDG-PET法で評価するため、高脂肪食負荷マウスで基礎的検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画の遂行に必要な研究環境・機器は既に整備されていると考えられるので、本研究計画においては設備備品の購入は計画していない。したがって、細胞培養・細胞生物学的実験に必要な経費、実験モデル動物の購入・飼育経費、病理組織学的解析や遺伝子解析に必要な試薬類の購入を中心とした消耗品費が研究経費の主体となる。動物購入費・飼育経費は、実験のために必要な頭数と飼育期間から算出した。旅費は研究成果の公表及び関連研究領域の学術情報収集のため、循環器病学及び関連研究の分野において先導的立場にある学会へ研究期間中に出席するために必要な経費として算出した。
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