2011 Fiscal Year Research-status Report
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23591347
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 隆史 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (70344934)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 慢性炎症 / 核内受容体 / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
近年生活習慣病の多くは、慢性炎症がその背景にあることが明らかとなってきた。この慢性炎症疾患は炎症や代謝異常、細胞内ストレスなどのシグナル伝達異常が複雑に絡み合い、発症増悪することが知られている。しかしながら、この病態を制御する治療法の開発には至っていないのが現状である。我々は、これら複雑なシグナル異常をもたらすエピゲノム制御の破綻に注目しており、とくに核内受容体の機能がその一端を担っているという事実に着目した研究を行っている。その手始めとして本研究ではシグナルクロストークの解明を基盤とした慢性炎症制御の可能性を探索するため、ステロイドホルモンと各種シグナル伝達系とのクロストーク解析を行っている。なかでも、研究代表者が長年行ってきた、男性ホルモン受容体と代謝疾患との関連の研究から、男性ホルモン受容体欠損マウスにおける代謝異常と小胞体ストレスの蓄積の関連が考えられたため、男性ホルモン作用と小胞体ストレス修復シグナルのクロストークを解析した。その結果、男性ホルモン受容体欠損マウスの肥満とその原因となるレプチン抵抗性が、小胞体ストレス軽減薬(ケミカルシャペロン)により改善することを明らかにした。この結果から、男性ホルモン作用と小胞体ストレス応答のクロストークのメカニズムを明らかにするため様々な遺伝子発現系を解析した結果、男性ホルモンが小胞体ストレス修復に関わる分子の発言を誘導することがわかった。さらに、このクロストークは小胞体ストレス応答転写因子と、アンドロゲン受容体の分子間相互作用による協調的な転写活性化によるものであることをほぼ突き止めた。以上の結果をもとに、今後男性ホルモンによる慢性炎症疾患制御の可能性について、各種慢性炎症疾患モデルマウス系統との交雑によりin vivo解析系を構築し検討を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
慢性炎症制御における核内受容体の機能解析として、核内受容体を介したステロイドホルモンのシグナルと、クロストークの場を明らかにした。これらの分子機序は遺伝子発現制御のレベルから明らかにできており、その詳細な分子機序もほぼ明確である。また、慢性炎症疾患モデルマウスを用いたin vivoの解析も進行中であり、当初の計画よりも早い進行を遂げている。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性炎症モデルとして、非アルコール依存性脂肪肝(NASH)と、動脈硬化の発症モデルマウスを用い、これらの遺伝的発症モデル系統と組織特異的核内受容体ノックアウトマウスの交雑が完了している。これらそれぞれにおいて、その発症要因ならびに慢性炎症の基盤となるシグナルの標的遺伝子発現プロファイルの解析と、実際の疾患病態に与える核内受容体機能の影響について明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、平成23年度同様に物品費と旅費が必要となる。物品費はマウスの維持や動物実験、遺伝子発現解析に用いられる消耗品費がとして使用する予定である。また次年度は、研究成果を報告する機会が増えるため平成23年度同様またはそれ以上の出張経費がかかる見通しである。
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Research Products
(5 results)