2014 Fiscal Year Annual Research Report
分化脂肪細胞内におけるアディポネクチンの分泌経路の同定と調節機構の解明
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23591353
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Research Institution | National Hospital Organization Osaka-Minami Medical Center |
Principal Investigator |
大屋 健 独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部), その他部局等, 副室長 (70599315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 道夫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00403056) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | アディポサイトカイン / 細胞内小胞輸送 / 脂肪酸 / 炎症性反応 / SNARE蛋白 / 内分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗炎症性アディポカインであるアディポネクチン(APN)の分泌を促す効果的な方法は現在知られておらず、分泌機構を解明する事で創薬開発に繋げる事を目的とする。 3T3-L1前駆脂肪細胞を標準法に脂肪酸を添加して分化誘導したところ、より均一で安定した分化度を示す細胞群を得る事が出来た。5日目にsiRNAのtrasfectionを行い、6日目以降48時間、種々の脂肪酸負荷を行った。マウス血漿含有率1%以上の脂肪酸7種を生理的比率で混合したカクテルを作成し、低濃度0.15mMと高濃度0.8mMで負荷を行った。低濃度カクテルに主要組成であるパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸を各々過剰添加した条件の検討も行った。また、LPS刺激による炎症性サイトカインIL-6の分泌亢進を確認し、炎症惹起条件での検討を行った。 高濃度カクテルでは低濃度に比べAPNの分泌量は40%増加したが、細胞内プールと分泌量の合計である総蛋白量に変化は無かった。パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸過剰負荷でも総蛋白量は変わなかったが、分泌量は著減た。負荷脂肪酸のバランスが重要と思われる。リノール酸負荷では分泌量、細胞内プール共に低下が見られた。この高濃度カクテルの分泌促進効果はインスリン抵抗性と炎症惹起状態では消失した。 分泌小胞を形質膜へ融合させる事で分泌を遂行するSNARE蛋白のうち、小胞上のVAMPと脂肪滴及び細胞質から融合の場に集積するSNAP23についてAPN分泌への関与を検討した。高濃度カクテルによるAPN分泌亢進と共に発現が亢進したのはVAMP2のみであった。また、VAMP2抑制時に細胞内貯留量が減少する事より、細胞内プール形成にVAMP2の関与が示唆された。LPS刺激では全VAMPで発現が亢進し、炎症性サイトカイン分泌に小胞輸送の活性化が見られるが、VAMP3、VAMP7の発現を抑制すると、非刺激時には見られないAPN分泌抑制が強く現れ、VAMP2とは異なる制御が示唆された。
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