2014 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺癌幹細胞の高精度新規マーカー群の同定とその機能解析
Project/Area Number |
23591357
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
光武 範吏 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (50404215)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 甲状腺癌 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
in vitroで作らせたスフィア状態の癌細胞は、in vivo(生体内)での癌細胞の状態をよりよく反映しているとの結果であり、またこれを支持する論文が出版されていることから、一度in vitroでスフィアを形成させ、そこから細胞を回収し、フローサイトメトリー、セルソーターによる解析を行った。ただし、径が小さいスフィアからの細胞は、ソーティング後にほとんど生着しなかったため、これら径の小さなスフィアを除外し、ある程度の大きさのスフィアを回収後、それを分解して得られる細胞を対象として解析を行った。FRO細胞において、スフィア状態の細胞ではCD44の発現が出現し、このマーカーに従って細胞を分取したところ、CD44高発現分画でスフィア形成能が上昇していることが確認された。つまりこのことは、生体内ではCD44も癌幹細胞のマーカー候補となる可能性を示唆している。しかしALDH活性での細胞分取と比較したところ、ALDH活性がよりスフィア形成能を反映しており、スフィア状態の細胞でもALDH活性が有力なマーカー候補であることがわかった。 H26年度にはさらに追加で12種類の新たな甲状腺未分化癌細胞株を取得し、ALDH活性、スフィア形成能を中心にこれまでと同様の解析を行った。これらすべての細胞株でALDH活性やスフィア形成能が見られた訳ではなく、解析に使用できたのは数種類であったが、その結果はこれまでの結果を支持するものであった。 以上より、甲状腺癌の癌幹細胞のマーカーとしては、ALDH活性が有力ではあるが、それ以外にも細胞の種類によってはCD326、CD44もマーカーとなり得ることが示唆され、マーカーの生物学的な意義を含めたより詳細な解析が必要であると考えられた。
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[Journal Article] The Common Genetic Variant rs944289 on Chromosome 14q13.3 Associates with Risk of Both Malignant and Benign Thyroid Tumors in the Japanese Population2015
Author(s)
Rogounovitch TI, Bychkov A, Takahashi M, Mitsutake N, Nakashima M, Nikitski AV, Hayashi T, Hirokawa M, Ishigaki K, Shigematsu K, Bogdanova T, Matsuse M, Nishihara E, Minami S, Yamanouchi K, Ito M, Kawaguchi T, Kondo H, Takamura N, Ito Y, Miyauchi A, Matsuda F, Yamashita S, Saenko VA
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Journal Title
Thyroid
Volume: 25
Pages: 330-40
DOI
Peer Reviewed
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