2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳特異的なアロマターゼ遺伝子発現を制御する転写因子の機能解析
Project/Area Number |
23591360
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
本田 伸一郎 福岡大学, 薬学部, 准教授 (40257639)
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Keywords | ステロイドホルモン / 性分化 / 転写因子 / 転写制御 |
Research Abstract |
マウスにおける脳でのアロマターゼの発現は、性分化の臨界期に一過性のピークを示し、脳の性分化と密接に関連すると考えられている。本遺伝子の脳特異的プロモーターに存在する複数の異なるシスエレメントのうち、aroBサイトに結合する転写因子のひとつとしてLhx2があり、Lhx2と結合する因子としてDeaf1が単離された。現在までの研究により、Deaf1はaroBサイトへ結合したLhx2と相互作用することで、協同的に転写制御を行うことが明らかとなっている。今年度の研究では、Deaf1によるアロマターゼ遺伝子の脳特異的転写制御メカニズムを解明するため、Deaf1タンパクの様々な内部欠損変異体の特性を解析することにより、詳細なDeaf1の機能ドメインの同定を行った。Deaf1変異体の発現プラスミドは、PCR法を用いて作成した。Deaf1とLhx2の相互作用は免疫沈降法により解析した。また、Deaf1変異体によるLhx2を介したアロマターゼ脳特異的プロモーター活性への影響は、COS7細胞を用いたレポーターアッセイにより調べた。Deaf1タンパク質のN末からアミノ酸を順次欠損させた変異体において、N末150から234番目まで欠損すると、Deaf1とLhx2の相互作用も消失することから、2つの因子のタンパク質間相互作用に必要な部位は、アミノ酸領域150~234にあると考えられた。 一方、アミノ酸148~234、189~234、および235~292番目の領域が欠損した内部欠損変異体において、転写活性化能の低下が見られたことより、Deaf1による転写活性増強には、189~292の領域が必要であると考えられた。このように、Lhx2との相互作用や転写制御に必要なDeaf1の機能ドメインは、アミノ酸189~292番目の領域に集まって存在していることが示唆された。
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