2013 Fiscal Year Annual Research Report
MLL遺伝子変異体による骨髄異形成症候群モデルマウスの作製と分子基盤の理解
Project/Area Number |
23591367
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
指田 吾郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70349447)
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Keywords | 国際情報交換 / MLL-PTD / RUNX1 / MDS / エピジェネティクス |
Research Abstract |
申請者は、MLL部分重複変異体 (MLL-PTD) が転写因子RUNX1点突然変異体の発現を制御するという研究成果を得ていた。さらに、骨髄異形成症候群 (MDS)から急性骨髄性白血病(AML)に移行した症例(MDS/AML) において、MLL-PTDがRUNX1の点突然変異と相関すること知られていた。こうした知見をもとに、本研究において、Mll-PTDノックインマウス/Runx1ヘテロマウスによって、MDS からAMLへと病態が進展する疾患モデルマウスを作製し、MLL変異体とRUNX1点突然変異体がMDSからAMLへの病態進展にどのように協調的に関与するのかを解明した。Mll-PTDノックインマウスの解析では、造血幹細胞機能が亢進しており、また骨髄球系細胞へ分化が偏っていることを明らかに報告した(Zhang Y, Yan X, Sashida G et al. Blood. 2012)。さらにMll-PTD KI/Runx1KOまたはヒトでみられるRUNX1変異体を導入したマウスによる解析では三血球系統の異形成と白血球現象、血小板減少を呈するMDSの発症を認めた(Yan X, Zhang Y, Sashida G, et al. 2012年アメリカ血液学会、Zhang Y, Yan X, Chen A, Sashida G, et al. 2012年アメリカ血液学会発表)。これらの研究成果はMDSの臨床知見と合致しており、このMDSモデルマウスの有用性を支持していた。今後はMll-PTDによるMDSモデルマウスを用いて、新規治療法の効果判定に加えて治療効果判定に有用なバイオマーカー等の探索を行う。
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Research Products
(3 results)