2011 Fiscal Year Research-status Report
新規白血球表面抗原LR11の白血病および正常造血における役割の解明
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23591368
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
武内 正博 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50466702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 千桂子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80436352)
武城 英明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80291300)
中世古 知昭 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30323398)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 白血病 / ニッチ / 細胞接着 |
Research Abstract |
1.白血病細胞株を用いた検討:レンチウイルスによるLR11のノックダウンにより接着能や遊走能の低下を認めた。また過剰発現系では接着能および遊走能の亢進を認めた。細胞株を低酸素環境に置くことによってLR11の発現が亢進することが判明し、これにHIF-1が関与することを明らかに出来た。また、LR11をノックダウンした細胞株を免疫不全マウスに移植したところ、コントロール群に比べ、明らかに生存期間の延長を認めていることが分かった。白血病細胞株を移植した後の生着に関する検討では、LR11をノックダウンすることによって、生着細胞の頻度が低下することが分かった。これらの結果からはLR11が接着や遊走に関与し、それが移植後の生着に関わっている可能性が考えられる。2.LR11ノックアウトマウスを用いた検討:LR11ノックアウトマウスからCD34-KSL細胞をソーティングし、Ly45.2マウスに移植を行ったところ、LR11ノックアウトマウス由来の細胞は移植後早期は高いクローナリティを示すことが判明した。一方、LR11ノックアウトマウスの骨髄よりc-kit陽性細胞を分離し、MLL-AF9遺伝子をレトロウイルスにて遺伝子導入したところ、colony assayやreplating assayではコントロールと比べ細胞数に変化は認めなかったものの、この細胞をLy45.2マウスに移植したところ、白血病細胞株と同様に、LR11ノックアウトマウス由来の細胞を移植した群は白血病を発症せず、生存期間が延長することが判明した。これらの結果を総合すると、LR11遺伝子は白血病細胞において、接着や遊走などの制御に関わっている分子の一つであると考えられ、このことから、白血病治療のターゲットになり得るものと考えている。今後化学療法などを組み合わせた実験を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
低酸素環境におけるLR11発現亢進についてと、LR11による細胞接着や遊走能の制御に関しては現在論文を作成中であり、今年度中に投稿予定である。LR11ノックアウトマウスを用いたMLL-AF9による白血病モデルは当初の予定では2年目以降に行う予定であったが、すでに二次移植まで行ってデータ収集を行っているところである。今後も繰り返して実験を行い再現性を確認する必要があるものの、当初の予定よりも進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
LR11ノックアウトマウスや白血病細胞株を用いた移植実験を繰り返し行い、再現性を確認するのと同時に、抗がん剤による治療を組み合わせて行い、抗がん剤への感受性に変化が起きるのかどうかを確認する予定である。また、MLL-AF9による白血病モデル以外にもBCR-ABLによる慢性骨髄性白血病モデルも構築中であり、MLL-AF9による急性骨髄性白血病モデルで認められた生存率の差が慢性骨髄性白血病モデルにおいても認められるか検討する。さらに、白血病細胞株の移植モデルにおいてコントロールに比べLR11をノックダウンした細胞の生着率が悪かったことから、生存率の差が、単純に生着率の差によるものなのかどうなのか確認する事を目的として、tali veinからの経静脈的な移植とintra bone marrow法による骨髄内への直接的な移植での生存率の差を、コントロール群とLR11ノックダウン群の計4群で行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
LR11の過剰発現させるレトロウイルスやLR11ノックダウン用のレンチウイルスを作成する際や、白血病細胞株を培養する際にウシ血清をはじめとする試薬などを必要とする。また、FACSによる細胞分離を行う際に抗体やMACSビーズなどが必要となる。LR11ノックアウトマウスを用いた移植実験を行う際には、マウス飼育用の飼料などが必要である。研究の成果については現在2本の論文を作成中であり、低酸素によるLR11の発現亢進とLR11による接着や遊走の制御については今年度中に投稿予定である。これらの投稿に関する費用も今年度支出予定である。研究成果については日本血液学会およびアメリカ血液学会にて発表予定であり、参加する際の旅費についても今年度支出予定である。
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Research Products
(5 results)