2011 Fiscal Year Research-status Report
HTLV―I発がん機序における脱ユビキチン化酵素USP20・USP33の役割
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23591384
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安永 純一朗 京都大学, ウイルス研究所, 講師 (40362404)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | HTLV-1 / USP20 / USP33 / HBZ / Tax / ATL / TRAF6 / NF kappaB |
Research Abstract |
本研究は脱ユビキチン化酵素USP20、USP33の詳細な機能解析を通して、human T-cell leukemia virus type 1 (HTLV-1) による細胞不死化のメカニズムを解析している。1. USP20の新規基質の同定:脱ユビキチン化酵素は細胞内において基質と物理的に結合するため、USP20もしくはUSP33との結合を指標にこれらの基質分子の同定を試み、USP20がDNA損傷応答分子と結合することを見出した。2. ルシフェレースアッセイ:共免疫沈降法により同定したUSP20/USP33結合分子の機能解析のためp53反応性レポーターベクターを用いて、ルシフェレースアッセイを行った。USP20/USP33の強制発現、および内在性発現のRNAiによるノックダウンにより、USP20とUSP33が上記シグナル伝達に関与している可能性が示唆された。3. HBZ蛋白およびTax蛋白のユビキチン修飾の解析:HTLV-1 HBZ蛋白がTax同様ユビキチン修飾を受けているかどうかについて解析した。具体的にはHEK293細胞にHAタグ付加ユビキチン分子とmycタグ付加HBZの発現ベクターを導入し、抗mycタグ抗体で免疫沈降後ウエスタンブロットを行い抗HA抗体にてユビキチン化HBZ蛋白の検出を試みた。その結果、HBZは細胞内でモノユビキチン化されている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であったUSP20/33 の新規結合分子を同定し、機能評価も順調に進んでいるため。また、HTLV-1 HBZ タンパクがユビキチン化されることも見出している。
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Strategy for Future Research Activity |
同定した新規のUSP20/33結合分子における、ユビキチン化、脱ユビキチン化修飾の生理学的意義、またUSPがその活性に及ぼす影響について解析を進める。当初計画していなかった、USP20/33のノックアウトマウスの作成も開始しており、生体におけるこれらの重要性について評価する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
USP20/30の機能解析を目的とし、ルシフェレースアッセイ、免疫沈降法、ウエスタンブロット、免疫組織染色等の実験を予定しており、抗体、遺伝子導入試薬、ルシフェレース基質等の消耗品購入を予定している。国内1回、海外1回の学会参加を予定しており、旅費および参加費に使用する。
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Research Products
(10 results)