2011 Fiscal Year Research-status Report
多発性骨髄腫幹細胞の同定およびそれを標的とした抗体療法の開発
Project/Area Number |
23591386
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
保仙 直毅 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10456923)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / がん幹細胞 / 抗体医療 |
Research Abstract |
多発性骨髄腫細胞の源となる骨髄腫幹細胞および前駆細胞の同定およびそれらを標的としたモノクローナル抗体療法の標的を同定することを目的として研究を行った。その結果、形質細胞マーカーとして広く使われているCD138が陰性の分画にin vitroでコロニーを産生するclonogenic progenitorが存在することを示した。さらに、SCID-rabモデルを用いて、invivoでもMM-initiating cellとなる細胞がCD138-に存在するが、それらは形質細胞の一分画であって、以前に報告されているようなB細胞の一部ではないことを示した。また、CD19+B細胞分画をNOGマウスに移植しても、骨髄腫を再構築できた例はなかった。以上より、少なくともMM-initiating cellは形質細胞中に存在し、B細胞が存在しなくても骨髄腫クローンを増幅し維持できることを示した。次に、clonogenic myeloma細胞が骨髄微小環境からの生存支持を受けるのに必要な分子を同定するため、新規抗骨髄腫細胞抗体をすでに約1000クローン作製し、そのうち400クローンに関して、骨髄由来ストローマ細胞への接着を阻害、あるいはストローマによる生存支持を阻害するモノクローナル抗体をスクリーニングし、8候補抗体を得、すでにその結合抗原を発現クローニングにて同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Clonogenic myeloma細胞が形質細胞中に存在することを明らかにし、そしてそれを攻撃するためのツールとして抗体を同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの600の新規抗骨髄腫細胞モノクローナル抗体のうち、骨髄腫形質細胞への特異性が高く、赤血球や血小板に結合しない抗体を選別し、それらに関して、ストローマから生存支持を受けるのに必要な分子のスクリーニングを続ける。また、すでに同定した候補抗原の一つに興味深いものがあり、それに関してはその機能解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
In vitroでの抗体の機能評価のための消耗品の購入。In vivoでの評価のためのマウス、ウサギの購入。および成果報告、情報収集のための旅費。
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Research Products
(2 results)