2012 Fiscal Year Research-status Report
低悪性度ATLとHTLV-1キャリアの併合解析による中間群の抽出
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23591394
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
塚崎 邦弘 独立行政法人国立がん研究センター, その他部局等, その他 (40274659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 芳孝 長崎大学, 大学病院, 助教 (40404305)
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Keywords | HTLV-1 / キャリア / ATL / くすぶり型 / 多段階発がん / 併合解析 / 中間群 / 低悪性度 |
Research Abstract |
低悪性度ATLとHTLV-1キャリアを併合解析し、共通の病態を持つ中間群を抽出する。そのために、低悪性度ATLは後方視的に解析し急性転化の遅速により2群とする。キャリアについてはそのATL発症の最強リスクとして最近同定されたウイルス量の高低で2群に分ける。そして高ウイルス量キャリアと急性転化リスクの低い低悪性度ATLの類似性を見出すことにより、ATL多段階発がん過程を病型分類によりキャリアと低悪性度ATLとに峻別するのではなく、その境界領域の臨床的意義を見出すことを目指している。 すでに集計している90例の低悪性度ATL を急性転化の遅速で、キャリア約250例を測定済みのHTLV-1ウイルス量の高低で、それぞれATLの進展・発症リスクで2群に分けた。全4群のうち高ウイルス量を呈するキャリアと長期間急性転化しなかった低悪性度ATLの類似性について他の2群と比較しながら臨床・分子病態により抽出し、この中間群の特徴を明らかにしつつある。 健常HTLV-1キャリア:40歳以上の住民健診でキャリア率が20%以上の高浸淫地で2012年度まで健診に付随したHTLV-1検診を実施して、すでに構築していた約250人の健常キャリア集団のうち約90例のフォローアップ採血を行った。キャリアの中に末梢血で高ウイルス量を認める症例が約10%存在することを見出したが、現在までATLの発症はない。 低悪性度ATL:1974年以降に当科で診断されたATL症例約500例のうち慢性型(65例)またはくすぶり型(25例)と診断された症例。ヘパリン血、リンパ節あるいはその他の臓器から分離したATL細胞と血漿を凍結保存している。2011、2012年度に、さらに約10例の新規低悪性度ATL症例から臨床情報と血液をサンプリングした。 以上の健常キャリアと低悪性度ATLの検体、さらには今後のフォローデータを用いて中間群を抽出する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HTLV-1キャリアとATL患者からのサンプリングは、研究分担者とともにほぼ順調に進んだ。本研究に携わる大学院生が研究よりも臨床に携わる時間が、当初の予定よりも長くなったため、また研究代表者が2012年度途中に異動したため、解析は当初の予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
大学院生を含めた研究協力者による本研究への協力を増やし、研究分担者と推進していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度に予定していた研究のうち実施できなかった分と、次年度に予定している分に使用する。
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Research Products
(1 results)