2013 Fiscal Year Research-status Report
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23591398
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鈴木 紳介 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20437974)
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Keywords | 成人T細胞白血病幹細胞 / 癌特異的増殖型デノウイルス / ウイルス由来遺伝子 |
Research Abstract |
癌特異的増殖型アデノウイルス (conditionally replicating adenovirus: CRA) による成人T細胞白血病 (adult T-cell leukemia: ATL) 治療の基礎的確立を目的とする。これまでプロモーター依存性CRA (Surv.CRA) のATL細胞株とヒトT細胞白血病ウイルスI型 (HTLV-1) 感染T細胞株に対する殺細胞効果を明らかにしてきた。 ATLは、HTLV-1が宿主遺伝子に組み込まれることから始まる。腫瘍幹細胞を標的にするためには、この腫瘍におこる最も初期段階での変異遺伝子のプロモーターを利用することが有効である。より特異度が高く、腫瘍幹細胞を標的にできる遺伝子としてウイルス由来遺伝子である、HTLV-1 bZIP factor (HBZ) のCRAへの利用を検証中である。非感染細胞での発現は皆無であり、高悪性度ATLのみならず、くすぶり型・慢性型などの低悪性度ATLにもHBZ遺伝子が転写されていることをこれまでの報告 (Satou Y, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2006) と同様に再確認した。 既にHTLV-1の3'LTRに存在する300塩基対のHBZプロモーター領域を人工合成遺伝子作成し、クローニングしている。作成したHBZプロモーター領域を使用して、ATL細胞株とHTLV-1感染T細胞株でのHBZプロモーター活性を解析中である。アミノ酸変異を入れた変異体プロモーターも作成し、陰性コントロールとする。HBZプロモーター依存性CRA(HBZ.CRA)を開発中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Surv.CRAを用いた解析は順調に進んでいるが、ATL移植高度免疫不全マウスを用いた動物実験が実施されていない。また新たなHBZ.CRAの作成が滞ってしまい、達成度は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
HBZプロモー ター依存性CRA (HBZ.CRA) の作成を達成する。また、ATL移植高度免疫不全マウス(NOD/Scid/Jak3欠損マウス:NOJマウス)を用いてSurv.CRAとHBZ.CRAの抗腫瘍効果を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題における論文作成・検討に時間を要したため、かかる諸経費の未使用額が生じた。 平成25年度に、HTLV-1遺伝子プロモーター特異的増殖型アデノウイルスベクターを作成し、10月の日本血液学会で発表予定であった。しかし、プロモーター領域の特定、クローニング、変異体の作成に、計画よりも時間を要したため、必要な経費の未使用額が生じた。 このため、HTLV-1遺伝子プロモーター特異的増殖型アデノウイルスベクターの抗腫瘍効果の解析と日本血液学会での発表および論文投稿を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(3 results)