2012 Fiscal Year Research-status Report
白血病における骨髄微小環境誘導性ガレクチンー3の機能解析と新規分子標的治療の開発
Project/Area Number |
23591403
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
黒田 純也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70433258)
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Keywords | 慢性骨髄性白血病 / ガレクチンー3 / 腫瘍環境 / 治療抵抗性 / 分子標的 |
Research Abstract |
本研究では骨髄間質細胞、細胞外マトリクスとの相互作用によって白血病細胞内に発言誘導されるGalectin-3(Gal-3)の白血病細胞における細胞増殖、治療抵抗性、細胞遊走など病態形成における機能を明らかにし、その制御法開発による新規分子標的治療法の確立を目指してきた。研究2年目にである平成24年度は、Gal-3過剰発現による白血病細胞内での分子制御異常、Gal-3過剰発現によるparacrineな白血病細胞増殖促進のメカニズム、ならびにGal-3によるアポトーシス抵抗性の解除をもたらす薬剤の探索研究を行なった。白血病細胞ではGal-3発現によりアポトーシス抵抗性分子であるMCL-1の過剰発現が誘導されること、PI3K-AKT、RAS-MAPK経路などの活性化が誘導されることが確認され、それらによるアポトーシス抵抗性の解除には、現在の治療薬であるチロシンキナーゼ阻害剤に加え、従来、多発性硬化症の治療薬として使用されているFTY720が有効であることを見出した。FTY720はAKTやERKの活性化を阻害するほか、BIM, BIDなどのアポトーシス誘導分子を白血病細胞内に誘導し、MCL-1過剰発現によるアポトーシス抵抗性を解除する。一方、Gal-3過剰発現によって腫瘍環境内におけるSERPINA1の安定性が阻害され、これによって白血病増殖が促進することが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
従前の研究目標であったGal-3過剰発現による白血病細胞の分子制御異常の一端を解明し、それらを制御しうる新規治療戦略、ならびにその理論的背景を特定することができた。当初、3年計画であった本研究において2年終了時点で、これらの研究結果を得ることができたうえ、それぞれについて2編の論文執筆、ならびに投稿(いずれも審査中)に至ることができたことは当初の計画以上の進展と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
白血病マウスモデルによるGal-3のin vivo病態形成における機能の検討、すなわち、Gal-3がin vivoにおいて白血病増殖を促進する可能性を検討するため、以下を検討する(i) Gal-3過剰発現白血病細胞亜株、ならびに親株を2Gyの放射線照射をおこなった免疫不全マウスNOD/SCIDマウスに経静脈的に移植し、白血病モデルマウスを作製する。(ii)ヒト白血病細胞の生着、ならびに増殖について尾静脈からの少量採血によって検討する。同時に体重変化について検討する。白血病細胞の増加が高度となるか、体重減少が高度となった時点で内臓病変について安楽死のもと検討する。(iii)白血病モデルを作成ののち、化学療法剤による治療効果を検討し、in vivoにおけるGal-3過剰発現の治療的意義を明らかにする。 Gal-3を標的とした分子標的薬の探索研究 Gal-3阻害による抗白血病効果を明らかにするため、Gal-3、ならびに下流分子の制御物質の探索研究 公的化合物ライブラリー(文部科学省など)を利用した上記機能を有する小分子化合物の探索を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「今後の研究の推進、方策」に記載した研究の遂行に必要となる主に消耗品、試薬、実験動物などの購入費として使用する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Fingolimod (FTY720) Overcomes the Resistance to Tyrosine Kinase Inhibitors Via Dual Activation of BIM and BID in Chronic Myelogenous Leukemia2012
Author(s)
Kiyota M, Kuroda J, Yamamoto-Sugitani M, Shimura Y, Nakayama R, Nagoshi H, Mizutani S, Chinen Y, Sakamoto N, Kobayashi T, Matsumoto Y, Horiike S, Taki T, Taniwaki M.
Organizer
The American Society of Hematology 54th Annual Meeting and Exposition
Place of Presentation
Atlanta, USA
Year and Date
20121208-20121210
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[Presentation] Galectin-3 protects CML leukemic cells by antagonizing SERPINA1-albumin complex.2012
Author(s)
Nakayama R, Kuroda J, Taniyama N, Wada S, Sugitani M, Shimura Y, Nagoshi H, Mizutani S, Chinen Y, Sakamoto N, Kobayashi T, Matsumoto Y, Horiike S, Sato K, Taniwaki M.
Organizer
第74回日本血液学会学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
20121019-20121021
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[Presentation] FTY720 induces apoptosis via both Bim-mediated intrinsic and extrinsic pathway in CML.2012
Author(s)
Kiyota M, Kuroda J, Yamamoto-Sugitani M, Shimura Y, Nakayama R, Nagoshi H, Mizutani S, Chinen Y, Sakamoto N, Kobayashi T, Matsumoto Y, Horiike S, Taniwaki M.
Organizer
第74回日本血液学会学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
20121019-20121021