2013 Fiscal Year Research-status Report
急性前骨髄性白血病キメラ遺伝子BCOR-RARAによる白血病発症機序の解明
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23591410
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
山本 幸也 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90410703)
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Keywords | 急性前骨髄性白血 / 急性骨髄性白血 / 転写因子 |
Research Abstract |
1、ウイルスベクターを用いたBCOR-RARA発現システムの確立:レンチウィルスベクターでのキメラ遺伝子発現系はセレクションマーカーで選択後に発現を確認しているが、実験の効率にばらつきがある。マウス造血肝細胞への遺伝子導入には安定した実験系の構築にはウィルスタイターの標準化が必要となっている。また、BCR-ABLも比較のため使用する。 2、臨床サンプルを用いたBCOR, BCORL1遺伝子異常の検出系の構築:FLT3, NPM1, CEBPA遺伝子の異常が検出されないAML患者検体の10例についてサンガーシークエンスで配列を調べた。しかしこの中では異常が検出されなかった。coding sequenceが6000kbと長い遺伝子でありdirect sequenceでは効率が悪いと考えられた。遺伝子異常のスクリーニングとしてhigh resolution melting法の使用を検討するため ABI 7900HTリアルタイムPCR機を用いて、コントロールとしてTP53遺伝子を標的に測定系の検討を行っている。 3、FIP1L1-RARAの機能解析:共免疫沈降法を行ってFIP1L1-RARAのself-associationを確認した。各ドメインを欠損させたサンプルを作成し、mycとFLAGタグで免疫沈降して共沈するかどうかを検討した。予想に反していずれも共沈しており、単独のself-association責任ドメインの特定には至らなかった。 4、BCORの異常とがんに関連した知見のレビュー:この数年にBCOR, BCORL1遺伝子異常が各種がんに検出されることが多数報告されるようになったため、現時点での知見をまとめて総説として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
レンチウィルスベクターでのキメラ遺伝子発現系はセレクションマーカーで選択後に発現を確認しているが、ばらつきがあり安定した実験系の構築にはウィルスタイターの標準化が必要となっている。 BCOR, BCORL1遺伝子異常をスクリーニングするためにABI 7900HTでhigh resolution melting法を検討したが、検出感度が低く偽陰性の可能性を否定し得ない状況であった。の作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
1、ウィルスタイターの標準化の検討 2、次世代シークエンサー使用の検討を行う 3、文献ではBCOR遺伝子異常のある症例ではBCOR mRNA発現の著しい低下が報告されているのでmRNA発現相関についても加えて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画の遅れのため、計画していた物品の購入を行わなかったため。また、他の研究費で購入したものと併用することで予算に余剰が出た。 次世代シークエンサー解析試薬、mRNA発現解析に使用する試薬の購入へ当てる。
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