2012 Fiscal Year Research-status Report
全てのHLAクラスIを対象としたCMV特異的CTL監視法および樹立法の開発
Project/Area Number |
23591418
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
近藤 英生 岡山大学, 大学病院, 助教 (30379747)
|
Keywords | サイトメガロウイルス / CTL / 同種造血幹細胞移植 |
Research Abstract |
1) 健常人CMV既感染者におけるCMVpp65抗原特異的CTLが拘束される免疫優位(Immunodominant)なHLAアリルの検索 前年度、健常人血液検体および患者血液検体収集のためプロトコールをヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会に申請し、承認を受けた。現在までに、5組のHLA一致血縁者間造血幹細胞移植患者、ドナーより同意を得て、移植前および移植後 day 30, day 60, day 90, day 180 の検体を保存した。CMVpp65由来エピトープが既知であるものをHLA-A:18種類、HLA-B:14種類、HLA-Cw:4種類のペプチドを合成し、準備しているが、HLA-A,B,Cの各アリルとも既知であったレシピエント・ドナーは1組のみであり、その他は、CMVpp65由来エピトープが未知であるアリル(HLA-A*31:01,HLA-B*13:01,B*54:01,B*55:02, HLA-C03:03,C*03:04)を含んでいたため、これらドナーでのCMVpp65特異的CTL株樹立およびエピトープ同定を行なっている。 2)造血幹細胞移植後患者におけるCMVpp65抗原特異的CTLのモニタリング 当院における同種造血幹細胞移植後の患者末梢血中のCMVpp65特異的CTLの動態を解析する。既知および新規同定したCMVpp65抗原エピトープペプチドを用い、患者または幹細胞移植ドナーの有するそれぞれのHLAアリルに提示されるペプチドCD40-B細胞にパルスし、反応性をIFN-γ ELISPOT法にて解析する。CMVpp65由来エピトープがすべて既知であるレシピエント・ドナーについては、day180までの検体が揃い次第、未知であるアリルを有するレシピエント・ドナーについては、免疫優位なエピトープが確定し次第、IFNγELISPOT assay を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在5組のHLA一致血縁者間造血幹細胞移植患者、ドナーから検体保存を行なっているが、そのうち未知であるエピトープの同定作業がまだ済んでおらず、モニタリングを進めることができていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
下記計画に基づき、研究をすすめる予定である。造血幹細胞移植後患者におけるCMVpp65抗原特異的CTLのモニタリングにおいては、まず血縁者間造血幹細胞移植のドナー、レシピエントペア(双方ともCMV既感染者)において、CMVpp65抗原特異的CTLモニタリングを行い、その知見を基に、非血縁者間造血細胞移植患者に拡げていく予定としている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)健常人CMV既感染者におけるCMVpp65抗原特異的CTLが拘束されるImmunodominantなHLAアリルの検索(平成24年度より継続) 2)新規CMVpp65抗原由来エピトープペプチドの同定 1)で樹立されたCTLのドナーが既に同定されたHLAアリル以外を有する場合は、新規エピトープの同定を試みる。樹立された抗原特異的CD8+T細胞をクローン化し、HLA拘束性、認識するエピトープを以前発表した方法(Kondo et al., Blood 2004)を用いて同定する。 3) 造血幹細胞移植後患者におけるCMVpp65抗原特異的CTLのモニタリング 当院における同種造血幹細胞移植後の患者末梢血中のCMVpp65特異的CTLの動態を解析する。既知および新規同定したCMVpp65抗原エピトープペプチドを用い、患者または幹細胞移植ドナーの有するそれぞれのHLAアリルに提示されるペプチドまたはoverlapping peptide を末梢血単核球にパルスし、反応性をIFN-γ ELISPOT法にて解析する。 前年度より続けている未知であるエピトープの同定作業が遅れているため、モニタリングの進行が予定より遅れており、今年度分も次年度行うこととなったため残額が生じている。
|