2014 Fiscal Year Annual Research Report
β3インテグリン機能発現におけるILKの役割解明と関連分子の探索・同定
Project/Area Number |
23591430
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
本田 繁則 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (00303959)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | β3インテグリン |
Outline of Annual Research Achievements |
β3インテグリン(αIIbβ3とαVβ3)は血小板、血管構成細胞、腫瘍細胞などに発現する接着受容体であり、血栓症や血管病の発症・進展および腫瘍の浸潤・転移において重要な役割を担っている。しかし、その機能発現と制御メカニズムの全容は明らかではない。私達は発現クローニングの手法を用いてintegrin-linked kinase (ILK)をαIIbβ3の活性化に関わる分子の1つとして同定した。本研究では、ILKのインテグリン機能発現に関わるメカニズムを明らかし、ILKが関連する細胞内シグナル分子および新たなβ3インテグリン機能発現因子の探索・同定を目指している。 今年度はILK-PINCH-parvin (IPP) 複合体とインテグリン活性化に必須のタリンおよびその共活性化因子のキンドリン-2との相互作用について検討した。細胞システムはαIIbβ3を恒常的に発現するCHO細胞株を用いた。αIIbβ3はCHO細胞上では非活性の状態を示す。この細胞にタリンのヘッドドメイン(THD)を過剰発現するとαIIbβ3の活性化を誘導できる。この条件でキンドリン-2を過剰発現させるとTHD単独よりさらに強い活性化を誘導する。そこで、THD + キンドリン-2の条件にIPPの過剰発現を追加したところTHD + キンドリン-2に比してより強い活性化が誘導された。一方、THD + キンドリン-2にILK、PINCHあるいはparvinを単独で導入してもその活性化をさらには増強しなかった。ILKは単独ではなくPINCHおよびparvinと複合体形成してTHDとキンドリン-2の共活性化作用をサポートし、αIIbβ3の機能発現に関与すると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] インテグリンαIIbβ3活性化変異, αIIb (R990W) ノックインマウスの解析2014
Author(s)
清水一亘, 柏木浩和, 森川陽一郎, 加藤 恒, 田所誠司, 坂野史明, 小亀浩市, 本田繁則, 金倉 譲, 宮田敏行, 冨山佳昭
Organizer
日本血栓止血学会学術集会
Place of Presentation
大阪
Year and Date
2014-05-29 – 2014-05-31