2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591436
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中町 祐司 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80379429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 誠司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20351512)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 関節リウマチ |
Research Abstract |
関節リウマチ (RA) は、炎症性細胞の関節への浸潤と関節滑膜細胞の炎症性増殖およびそれに伴う骨破壊を特徴とする。RAの発症には遺伝的素因に環境因子が関与していると考えられるが病因は不明である。近年の生物学的製剤による治療法は従来の治療法と比して各段に優れているが、無効例あるいは効果減弱例が認められることや治療費が高価なことが問題である。マイクロRNAは近年発見されたメッセンジャーRNAから蛋白への翻訳を抑制・制御する重要な分子であり、1種類のマイクロRNAが複数の蛋白の発現を調整する。ヒトではマイクロRNAが1/3の蛋白の発現を制御していると考えられている。われわれはラットアジュバンド関節炎モデルを用いてmiR-124前駆体を関節局所に投与した結果、関節炎を抑制することを明らかにした。しかし、関節局所の投与では治療法として限定されるため実用化にむけて全身投与での検討が必要である。 本研究の目的は、マウス関節炎モデルでmiR-124前駆体を腹腔内または静脈内投与しマイクロRNAを用いた新しいRA治療法を開発することである。 平成23年度の実験計画はmiR-124前駆体を全身投与する場合に関節局所に移行する最適なドラッグデリバリーシステムを検討することであった。 今年度は、どの細胞にマイクロRNAが移行するのが望ましいかをラット関節炎モデルで関節局所にmiR-124を投与したラットとネガティブコントロールを投与したラットの関節の病理組織像を免疫染色法で比較し詳細に検討を行った。またマイクロRNAの作用が生体内で長期間持続できるようにマイクロRNAの核酸を修飾し、より安定なマイクロRNAを作成する検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度の実験計画はmiR-124前駆体を腹腔内または静脈内に投与する最適なドラッグデリバリーシステムを検討することであった。関節リウマチは炎症性細胞の関節への浸潤とそれに伴う関節滑膜細胞の炎症性増殖および骨破壊を特徴とする。このように様々な細胞が病態形成に関与する。よって、miR-124を用いた新規の治療方法を検討する場合にはmiR-124がどの細胞に移入することにより、より効果を発揮できかを明らかにすることは重要である。また、その効果が持続するためには安定なmiR-124前駆体を用いることも重要である。さらに動物実験を行うにはより少数の匹数で実験成果が得られることが望まれる。よって、これらの理由により当初の計画より動物実験を行う前のin vitroでの基礎実験を多く慎重に行っている。現在、当初の計画より少し遅れ、動物モデルで実験するまでには至っていないのは上記のように動物実験をより適切に行うためである。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、今年度達成できなかったドラッグデリバリーシステムの検討を引き続き行い、その後、実験関節炎モデルにおけるmiR-124全身投与による関節炎抑制効果の検討を行う。 今年度の基礎実験の結果をもとにコラーゲン誘導関節炎(CIA)マウスおよび非関節炎誘導マウスに候補の核酸運搬体を用いて安定なmiR-124前駆体を腹腔内または静脈内投与を行いmiR-124の各組織・細胞への移行度合および抗関節炎効果を検討して最適なドラッグデリバリーシステムを検索する。 関節炎は8-10週のオスDBA/1マウスにMycobacterium tuberucuosis含有不完全FreundアジュバンドにタイプIIコラーゲンを添加したエマルジョンをday0とday20に尾根部に皮下投与し誘導する。関節炎はday25ころより発症する。関節炎増悪期(day 35)に関節炎マウス、非関節炎マウスに安定なmiR-124前駆体と候補の核酸運搬体複合体を腹腔内または静脈内投与する。Day 38に後肢踵関節組織、胸腺、リンパ節、心臓、肝臓、肺、腎臓、末梢白血球を摘出し組織および細胞中のmiR-124発現量を検討し、関節組織に効率的に安定なmiR-124前駆体を運搬できるデリバリーシステムを検討する。さらに非関節炎誘導マウスに核酸運搬体複合体を投与し、全身状態、体重変化を観察した後、投与後30日目に開腹し各臓器の観察、病理組織標本を作成し副作用の有無を検討する。 検討したドラッグデリバリーシステムを用いRA特異的miR-124前駆体をCIA関節炎モデル(DBA/1マウス)に全身投与し関節炎発症の有無およびその程度を関節炎スコア・体重・病理組織像により評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は今年度、達成できなかったドラッグデリバリーシステムの検討と当初の計画どおり実験関節炎モデルにおけるmiR-124全身投与による関節炎抑制効果の検討に使用する。 設備は本大学の設備を最大現に利用し、旅費、成果発表、印刷費、通信費、翻訳・校閲、専門的知識・技術の提供、論文別刷は最低限に抑え、実験動物費、試薬等の消耗品にあてる。
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