2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591436
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中町 祐司 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (80379429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 誠司 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (20351512)
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Keywords | マイクロRNA / 関節リウマチ |
Research Abstract |
関節リウマチ (RA) は、炎症性細胞の関節への浸潤と関節滑膜細胞の炎症性増殖およびそれに伴う骨破壊を特徴とする。RAの発症には遺伝的素因に環境因子が関与していると考えられるが病因は不明である。近年の生物学的製剤による治療法は従来の治療法と比して各段に優れているが、無効例あるいは効果減弱例が認められることや治療費が高価なことが問題である。マイクロRNAは近年発見されたメッセンジャーRNAから蛋白への翻訳を抑制・制御する重要な分子であり、1種類のマイクロRNAが複数の蛋白の発現を調整する。ヒトではマイクロRNAが1/3の蛋白の発現を制御していると考えられている。われわれはラットアジュバンド関節炎モデルを用いてmiR-124前駆体を関節局所に投与した結果、骨を破壊する破骨細胞への分化を抑制し関節骨破壊や関節炎を抑制することを明らかにした。しかし、関節局所の投与では治療法として限定されるため実用化にむけて全身投与での検討が必要である。 本研究の目的は、一般的な関節炎のモデルであるコラーゲン誘導関節炎モデルでmiR-124前駆体を静脈内投与しマイクロRNAを用いた新しいRA治療法を開発することである。 関節炎は8-10週のオスDBA/1マウスにMycobacterium tuberucuosis含有不完全FreundアジュバンドにタイプIIコラーゲンを添加したエマルジョンをday0に尾根部に投与、day27に担体のアテロジーン(高研)とmiR-124前駆体混合液を静脈内投与する。関節炎はday28にLPSを静脈内投与することにより発症する。その結果、miR-124前駆体投与群では関節炎の発症は抑制された。またマイクロCTで観察した結果、後ろ足の骨破壊の程度も抑制されていた。 これらよりmiR-124は関節炎の治療薬としての可能性が示唆された。
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