2011 Fiscal Year Research-status Report
AIRE遺伝子導入NODマウスにおける糖尿病抑制機構の解析
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23591437
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西嶋 仁 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 助教 (60425410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 満 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 教授 (60221595)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 自己免疫 / AIRE遺伝子 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
AIRE欠損が自己免疫疾患の発症をもたらすことから、AIREの過剰発現が自己免疫疾患の病態修復に働く可能性が考えられる。そこで申請者らはI型糖尿病のモデルマウスであるNODマウス受精卵にヒトAIRE遺伝子を導入し、AIREの過剰発現によって糖尿病の発症が阻止できるか否かを検討した。AIRE遺伝子導入にあたっては、AIRE本来の発現組織である胸腺髄質上皮細胞(mTEC)で十分な発現が得られることを企図してMHC class IIプロモーターを選択した。こうしてヒトAIRE cDNAをNODマウス受精卵に導入することによって4ラインのAIRE-Tg/NODを樹立した。大変興味深いことに、導入ヒトAIRE遺伝子の発現レベルがもっとも高かった1ラインにおいて、糖尿病の発症が完全に阻止された。この糖尿病阻止作用が、導入遺伝子による内在ゲノム遺伝子の破壊(insertional mutagenesis)によるものでないことは、本ラインにおける導入遺伝子のゲノム挿入点の決定によって既に確認している。さらに、AIRE欠損NODマウスでは臓器特異性の変化から膵ラ氏島病変にかわり膵腺房細胞の完全破壊を認めるが、AIRE-Tg/AIRE欠損NODマウスでは膵腺房炎が消退することを確認した。すなわち、まだ解析した個体の数は少数であるが、AIRE欠損NODマウスでは激しい自己免疫病態によって生後20週齢を超えて生存する個体は存在しないが、AIRE-Tg/NOD との交配によって、いわゆるAIREをtransgenic backさせたAIRE-Tg/AIRE欠損NODマウスの生存期間は通常のNODマウスと同等であった。このことからも、AIREトランスジェニックNODマウスにおける糖尿病抵抗性の獲得機構が導入AIRE遺伝子産物の直接の効果である可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AIRE-Tg/NODを用いた免疫病理学的な解析の取り組みは、申請者の研究室では既に手技的に確立されており、解析に必要となる設備機器も整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、糖尿病発症阻止に働く細胞種の特定とそのメカニズムの解明へと進め、可能であればプロテオミクスの手法を用いたアプローチにも取り掛かりたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
AIRE-Tg/NODは既に樹立済みであり、全て徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部附属動物実験施設のSPF環境下で飼育しており、係る費用を拠出する必要がある。ヒトAIRE蛋白に対する免疫沈降用抗体については、当研究室で作製したウサギポリクローナル抗体およびマウスモノクローナル抗体を所有しているが、十分量を確保すべく追加作製も計画する。他方、本研究課題を遂行するための研究設備は整備されているので、研究費の大半は消耗品費として使用する予定である。得られた研究成果については学会発表を行うため、係る旅費を計上する。また、国際紙に誌上発表するための費用についても計上しておく。
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Research Products
(2 results)