2011 Fiscal Year Research-status Report
葉酸リセプターベータ発現活性化マクロファージを標的とした慢性炎症の治療薬の開発
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23591441
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松山 隆美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30145479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 拓 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (90363647)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | マクロファージ |
Research Abstract |
1抗葉酸リセプターベータ(FR-B)抗体による強皮症線維化抑制効果 ブレオマイシン皮下投与によるマウス強皮症に抗マウスFR-B抗体イムノトキシンを静脈注射したところ、皮膚内のFR-B発現マクロファージの減少が見られた。現在、ブレオマイシン投与3週経過マウスにおいて、皮膚の肥厚、ハイドロキシプロリン量、TGF-beta量への影響を検討している。2ラット関節炎における抗ラットFR-B抗体イムノトキシンの治療効果 抗ラットFR-B抗体イムノトキシンをメチル化BSA誘発関節炎の関節局所投与をおこなったところ、コントロール群(PBS,VH-PE38)に比べて有意に、関節腫脹の軽減や病理組織学的に、炎症病態の軽減、軟骨・骨破壊の抑制効果がみられた。既にヒトのイン ビトロの系において葉酸リセプターベータ発現マクロファージが破骨細胞になることを示しているが、実際カテプシンK陽性の破骨細胞も減少した。この成果は印刷中である。3血清可溶性葉酸リセプターベータの測定 測定系におけるリウマチ因子の影響を避けるため、キャプチャード抗体をF(ab)‘2に処理し、関節リウマチ患者関節液10例と変形性関節症患者関節液10例の可溶性葉酸リセプターベータ値の測定をおこなった。関節リウマチ患者関節液において有意な増加がみられた。また、M1,M2刺激による可溶性葉酸リセプターベータの産生を測定したが、明らかな差はみられなかった。現在、関節リウマチ患者血清において、生物製剤の効果の判定になり得るかについて検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1)の理由 ラット関節炎における抗葉酸リセプターベータイムノトキシン関節局所投与の有効性を示すことができた。可溶性葉酸リセプターベータの測定系を確立した。さらに昨年度十分な検討ができなかった葉酸リセプターベータに結合する生体内の葉酸誘導体の探索をおこなう。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、可溶性葉酸リセプターβの測定系を既に確立したので、関節リウマチ患者血清の可溶性葉酸リセプターβ測定をおこなう。平成23年度に引き続いて強皮症モデルにおける抗FR-β抗体イムノトキシンの線維化抑制効果についての研究をおこなう。また、平成23年度に着手できなかったFR-βに高親和性の葉酸誘導体の開発や抗マウスFR-β抗体RNase、抗マウスFR-β抗体NF-kBインヒビターの作成をおこなう。平成25年度は、炎症モデル動物における抗マウスFR-β抗体RNase、抗マウスFR-β抗体NF-kBインヒビターの作用の検討をおこなう。FR-βに高親和性の葉酸誘導体とトキシンや薬剤をリンカーにて結合させ、インビトロの系にてこれらの炎症抑制効果を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
可溶性葉酸リセプターβ測定の抗体作製、精製の為の試薬が必要である。強皮症モデルにおける抗FR-β抗体イムノトキシンの線維化抑制効果についての研究のため、動物購入費、イムノトキシン精製の為の各種カラムが必要である。平成23年度において未使用分はFR-βに高親和性の葉酸誘導体の開発や抗マウスFR-β抗体RNase、抗マウスFR-β抗体NF-kBインヒビターの作成のための遺伝子精製試薬、タンパク精製試薬の購入に充てる。また、これらの成果の発表のための旅費、論文印刷代が必要である。
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Research Products
(1 results)