2012 Fiscal Year Research-status Report
葉酸リセプターベータ発現活性化マクロファージを標的とした慢性炎症の治療薬の開発
Project/Area Number |
23591441
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松山 隆美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30145479)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 拓 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (90363647)
|
Keywords | 国際情報交換 / 抗体 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
1)抗葉酸リセプターベータ(FR-B)抗体による強皮症線維化抑制効果:昨年度、ブレオマイシン皮下投与によるマウス強皮症モデルにおいて、抗マウス葉酸リセプターベータ抗体イムノトキシンを静脈注射したところ、皮膚のFR-B発現マクロファージの減少が見られたことを報告した。今年度ブレオマイシン投与4週経過のマウスにおいて、抗マウス葉酸リセプターベータ抗体イムノトキシンの静脈注射は皮膚の肥厚、ハイドロキシプロリン量の減少を生じることを明らかにした。また、ブレオマイシン投与8日後のTGF-β産生細胞の多くは、FR―B発現マクロファージであることを明らかにした。さらに強皮症モデルに対する抗葉酸リセプターβ抗体イムノトキシンは、皮膚TGFβ産生を抑制することをリアルタイムPCR法にて明らかにした。また、2週間計5回のイムノトキシンの投与では、トキシンに対する免疫原性は少なかった。以上の結果から、強皮症の皮膚線維化抑制に抗マウス葉酸リセプターベータ抗体イムノトキシンを静脈注射は有効であり、治療への展開が期待できると考える。 2)血清可溶性葉酸リセプターベータの測定:関節リウマチ患者血清において、血清可溶性葉酸リセプターベータが生物製剤効果の判定の指標となるかについて検討した。10名の患者において、生物製剤治療前、治療後1か月、3か月において血清可溶性葉酸リセプターベータ値とSDAI,cDAI, DAS28値と相関をみたところ、比例する傾向がみられたが有意差はなかった。さらに症例を追加検討する。 3)葉酸リセプターベータに結合する生体内の葉酸誘導体の探索:昆虫細胞をもちいて、可溶性葉酸リセプターベータを多量に精製することに成功した。 現在可溶性葉酸リセプターベータカラムをもちいて、炎症血清や臍帯血に葉酸リセプターベータに特異的に結合する葉酸誘導体が存在するか検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1抗葉酸リセプターベータ(FR-B)抗体による強皮症線維化抑制効果 次年度はヒト強皮症皮膚のFR-B発現細胞について検索する予定であるが、ほぼ計画を達成しており、論文作成中である。 2血清可溶性葉酸リセプターベータの測定はほぼ計画を達成しており、学会発表予定である。 3葉酸リセプターベータに結合する生体内の葉酸誘導体の探索 次年度集中して、研究をおこなう。4ラット関節炎における抗ラットFR-B抗体イムノトキシンの治療効果計画を達成し、論文掲載をおこなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
抗葉酸リセプターベータ抗体の臨床応用が本研究の目的であり、動物実験において、 強皮症の肺線維症、皮膚線維症や関節炎局所注の有効性が示唆された。今後抗体のヒト化や トキシンの免疫原性の低下に向けての研究をおこなう予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
葉酸リセプターベータに結合する生体内の葉酸誘導体の探索 次年度集中して、研究をおこなう。特に葉酸誘導体の同定のためには、HPLCと 質量分析計を使用するための研究費が必要である。また、最終年度のため、 論文発表の費用、学会発表の費用が必要である。
|
Research Products
(4 results)
-
-
[Journal Article] The prolyl hydroxylase PHD3 identifies proinflammatory macrophages and its expression is regulated by activin A.2012
Author(s)
Escribese MM, Sierra-Filardi E, Nieto C, Samaniego R, Sánchez-Torres C, Matsuyama T, Calderon-Gómez E, Vega MA, Salas A, Sánchez-Mateos P, Corbí AL.
-
Journal Title
J Immunol.
Volume: 189
Pages: 1946-54
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Novel Therapy for Atherosclerosis Using Recombinant Immunotoxin Against Folate Receptor β-Expressing Macrophages.2012
Author(s)
Furusho Y, Miyata M, Matsuyama T, Nagai T, Li H, Akasaki Y, Hamada N, Miyauchi T, Ikeda Y, Shirasawa T, Ide K, Tei C.
-
Journal Title
J Am Heart Assoc.
Volume: 1(4)
Pages: え003079
Peer Reviewed
-