2012 Fiscal Year Research-status Report
免疫細胞制御における低酸素応答性転写因子群の役割の解明と炎症性疾患治療への応用
Project/Area Number |
23591453
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
牧野 雄一 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (90345033)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 勝計 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00124751)
|
Keywords | 低酸素 / HIF-1 / 単球 / マクロファージ |
Research Abstract |
炎症や免疫応答の制御において、組織局所の酸素分圧の役割が注目されている。申請者は、活性化リンパ球やマクロファージの機能制御に、低酸素応答性転写因子(HIF)が密接に関与する事を見いだし、HIFを標的とした抗炎症療法の開発を目指している。薬剤によるHIF発現制御に加え、内因性HIF機能抑制分子IPASを用いたHIF機能抑制の炎症細胞機能制御、炎症性血管新生制御における有用性を明確にしつつある。特に、IPAS遺伝子のプロモーター、mRNAスプライシング制御機構を明らかにし、人為的IPAS発現制御/HIF機能抑制法の開発の突破口を見いだした。本研究は、免疫細胞機能制御におけるHIF-1およびHIF-1-IPAS 相互作用をはじめとする低酸素応答装置の役割を明確にすると共に、HIF-1および関連分子が媒介するシグナルの制御法を確立し、低酸素応答性転写因子群を標的とする新たな抗炎症療法、免疫制御法開発の基盤を築くことを目的とする。平成24年度は免疫細胞におけるHIFシステムの人為的調節と疾患治療の試みに重点を置き、抗HIF-1分子IPASによる抗血管新生•抗炎症モデルとして皮膚全層欠損創傷治癒モデルの作成にとりくみ、IPAS 発現マウスでは創傷治癒が遅れる傾向がある事を予備検討から得た。また、単球系細胞における新たなHIF-1標的分子としてヒスタミン受容体を同定した。低酸素が免疫機能を制御する新たなメカニズムを示すものと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物モデルにおけるHIF-1シグナルの役割、抗HIF-1システムによる免疫制御法の確率とその検証に遅れが生じている
|
Strategy for Future Research Activity |
とくに抗HIF-1分子IPASトランスジェニックマウスでの炎症モデル解析、ex vivo 細胞解析を通じてHIF-1を標的とする細胞機能制御法の有用性の検証を進める
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|