2013 Fiscal Year Annual Research Report
免疫細胞制御における低酸素応答性転写因子群の役割の解明と炎症性疾患治療への応用
Project/Area Number |
23591453
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
牧野 雄一 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (90345033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 勝計 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00124751)
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Keywords | 単核球 / 低酸素 / HIF-1 / 転写因子 |
Research Abstract |
申請者は、活性化リンパ球やマクロファージの機能制 御に、低酸素応答性転写因子(HIF)が密接に関与する事を見いだし、HIFを標的とした抗炎症療法の開発を目指している。薬剤による HIF発現制御に加え、内因性HIF機能抑制分子IPASを用いたHIF機能抑制の炎症細胞機能制御、炎症性血管新生制御における有用性を明 確にしつつある。本研究は、免疫細胞機能制御におけるHIF-1およびHIF-1-IPAS 相互作用をはじめとする低酸素応答装 置の役割を明確にすると共に、HIF-1および関連分子が媒介するシグナルの制御法を確立し、低酸素応答性転写因子群を標的とする新 たな抗炎症療法、免疫制御法開発の基盤を築くことを目的とする。平成25年度は、24年度に引き続き、免疫細胞におけるHIFシステムの人為的調節と疾患治 療の試みに重点を置き、抗HIF-1分子IPASによる抗炎症モデルとしてIPAS高発現マウスにおける抗コラーゲン抗体誘導関節炎罹患関節でのHIF-1標的遺伝子発現と滑膜増殖の関連について解析した。野生型マウスでは浸潤炎症細胞における血管内皮増殖因子(VEGF)の発現亢進と滑膜増殖を認めた。IPAS高発現マウスではVEGFの発現亢進が必ずしも抑制されないにもかかわらず、滑膜増殖は統計学的に有意に軽減しており、IPASはVEGF非依存性に滑膜増殖を制御している可能性が示された。一方、前年度までに単核球における新たなHIF-1標的遺伝子としてヒスタミン4(H4)受容体を同定したが、25年度はあらたにヒスタミンシグナルが低酸素条件下で増強し、解糖系酵素等のH4受容体下流の遺伝子発現が増強する示唆を得た。単核球におけるH4受容体はTNFaやIL-6等のサイトカインによる発現制御は受けない事が示され、低酸素が重要な単核球のシグナル及び機能調節因子である事が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] The Krüppel-like zinc finger transcription factor, GLI-similar 1, is regulated by hypoxia-inducible factors via non-canonical mechanisms.2013
Author(s)
Khalesi E, Nakamura H, Leong Lee K, Chandra Putra A, Fukazawa T, Kawahara Y, Makino Y, Poellinger L, Yuge L, Tanimoto K.
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 441
Pages: 499-506
DOI
Peer Reviewed