2012 Fiscal Year Research-status Report
新規サイトカインIL-33によるIL-17Fの発現と喘息との関連
Project/Area Number |
23591455
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川口 未央 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50365748)
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Keywords | IL-17F / IL-33 / 喘息 |
Research Abstract |
2001年に我々が発見したサイトカインIL-17F(Kawaguchi et al. J. Immunol. 2001)は喘息患者の気道で高発現しており、様々なサイトカインの産生を誘導することから喘息の治療戦略上重要な標的の一つと考えられている。しかしながら、その誘導因子は不明であった。種々の検討の結果、2005年に発見された新規サイトカインであり、アレルギー性気道炎症を強力に誘導するIL-33がその誘導因子であることを発見した。本研究ではIn vitroの実験系でIL-33によるIL-17Fの発現とそのメカニズムを解析する。さらに喘息患者の臨床検体を用いてIL-17Fを定量し、喘息の診断、重症度や治療効果との相関を解析し、有用な臨床的マーカーになり得るか検討する。本年度は以下を明らかにした。 1.IL-33によるIL-17Fの発現:免疫染色の結果から気道上皮細胞が重要なIL-17Fの産生細胞であることが判明した。気道上皮細胞(ヒト正常気道上皮細胞ならびにセルラインBEAS-2B細胞)をIL-33(10, 100, 200ng/mL)で刺激するとIL-17Fの発現を有意に遺伝子レベルおよびタンパクレベルで認めた。 2.IL-33のシグナル伝達経路:IL-33によるIL-17Fの発現はIL-33の受容体ST2を介してその下流ではERK1/2-MSK1を介することが判明した。また、他のMAPキナーゼであるp38MAPK, JNKの関与は認めなかった。 以上から喘息の病態にIL-33/IL-17Fの関与が示唆され、新たな喘息の病態が解明され、臨床応用への可能性が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の「1.IL-33によるIL-17Fの発現」および「2.IL-33のシグナル伝達経路」に関しては国際誌であるAllergyに採択された(Fujita J, Kawaguchi M, Kokubu F, Ohara G, Ota K, Huang SK, Morishima Y, Ishii Y, Satoh H, Sakamoto T, Hizawa N. Interleukin-33 induces interleukin-17F in bronchial epithelial cells. Allergy. 2012 Jun;67(6):744-50.)。また、研究内容は日本呼吸器学会学術講演会、米国胸部疾患学会等で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は臨床的関連を中心に研究を進めていく。筑波大学附属病院の倫理委員会において既に承諾されており、同意が得られた気管支喘息患者および職員・学生などの健常者からの血清や誘発痰を用いてIL-17FおよびIL-33の発現をELISAにて検討する。IL-33の 蛋白定量には市販品を用いるが、IL-17Fは我々が独自に開発した前述の高感度ELISAシステムを用いて患者サンプル(血清、誘発痰)の蛋白定量を行う。健常者との比較、ガイドラインに基づく重症度との比較、急性増悪時の変化、治療による変化を検討することによりIL-17F・IL-33と気管支喘息との臨床的関連について解析する。健常者10名、喘息患者20名を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Interleukin-33 induces interleukin-17F in bronchial epithelial cells2012
Author(s)
Fujita J, Kawaguchi M, Kokubu F, Ohara G, Ota K, Huang SK, Morishima Y, IshiiY, Satoh H, Sakamoto T, Hizawa N
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Journal Title
Allergy
Volume: 67
Pages: 744-750
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] IL-33 Induces IL-17F In Bronchial Epithelial Cells2012
Author(s)
Fujita J, Kawaguchi M, Kokubu F, Matsukura S, Kurokawa M, Nozato K, Ano S,Kaneko Y, Masuko H, Yamadori T, Yageta Y, Morishima Y, Ishii Y, Sakamoto T, Satoh H, Hizawa N
Organizer
International Conference of American Thoracic Society
Place of Presentation
米国
Year and Date
20120518-20120523
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[Presentation] 気道上皮細胞からのIL-17F産生2012
Author(s)
藤田 純一, 川口 未央, 國分 二三男, 松倉 聡, 黒川 真嗣, 野里 恭子, 阿野 哲士, 金子 美子, 増子 裕典, 山鳥 忠宏, 森島 祐子, 石井 幸雄, 坂本 透, 足立 満, 檜澤伸之
Organizer
第52回日本呼吸器学会学術講演会
Place of Presentation
神戸
Year and Date
20120420-20120422