2011 Fiscal Year Research-status Report
ヘルパーT細胞分化と機能発現において転写因子特にcーMafが果たす役割の解析
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23591467
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 浩二郎 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10372434)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | c-Maf / ヘルパーT細胞 / メモリー細胞 / IL-17 |
Research Abstract |
1. c-Mafトランスジェニック(Tg)マウスのフローサイトメトリーによる解析から、c-Maf Tg Th細胞がCXCR5陽性、ICOS陽性であることが明らかとなった。これまでメモリーTh細胞の表面マーカーを持つことが判明していたが、濾胞性Th(Tfh)細胞の表現型をも持つことが示唆された。2. c-Maf Tgマウスの骨髄血および野生型(WT)マウスの骨髄血をγ線照射後のRag-2ノックアウト(KO)マウスに移入し骨髄キメラマウスを作出した。Tgマウス由来のB細胞は確認できたがTgマウス由来T細胞は消失しており、T細胞分化の過程でTg由来細胞はWT由来細胞と競合できないことが明らかとなった。3. ヒト末梢血由来Th細胞をナイーブTh, セントラルメモリーTh, エフェクターメモリーTh細胞にソートし、トランスクリプトーム解析を行った。転写因子c-Mafが他の転写因子と比較してもメモリーTh細胞に強く誘導されていることが明らかとなり、種を越えてc-MafがメモリーTh細胞において重要な役割を果たすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Rag-2 KOマウスの繁殖が不十分であり、c-Maf TgマウスやKOマウスのトランスクリプトーム解析が行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1. c-Maf Tgマウス由来のTh細胞やc-Maf KO Th細胞のトランスクリプトーム解析を介してc-Mafの転写標的を明らかにする。2. 遺伝子改変マウスの免疫病理的な解析によりリンパ組織における各細胞の分布のWTとの異同を明らかにする。3. c-Mafを誘導する上流のメカニズムについて知見を得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1. 前述のごとくRag-2 KOマウスの引数がそろわずトランスクリプトーム解析が今年度行えていないため、次年度はまずc-Maf Tgマウス、KOマウスを用いたトランスクリプトーム解析を優先して行う。2. 並行して遺伝子改変マウスの免疫病理解析を行う。3. 可能であれば各種転写因子の強制発現実験を行いc-Mafの発現レベルの変化を解析する。
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