2012 Fiscal Year Research-status Report
ヘルパーT細胞分化と機能発現において転写因子特にcーMafが果たす役割の解析
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23591467
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 浩二郎 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10372434)
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Keywords | メモリー細胞 / ヘルパーT細胞 / 転写因子 / c-Maf |
Research Abstract |
c-Mafトランスジェニック(Tg)マウスの脾細胞に見られるB細胞の増加のメカニズムを解明する目的で、野生型(WT)およびTgマウス由来の骨髄細胞を混合してX線照射後のRag-2欠損マウスに移入し、キメラマウスを作出した。キメラマウスの脾細胞においてB細胞の増多は認められず、c-Maf TgのB細胞が自律的に増加するメカニズムは否定された。興味深いことに、このキメラマウスにおいて、末梢のT細胞はほぼ全てがWTマウス由来であり、TgのT細胞の分化に異常があることが示された。実際Tgマウスでは胸腺においてダブルネガティブ(DN)細胞の比率が増加しており、その後の分化が障害されていることが示唆された。DN細胞を更に詳細に解析するとDN1-DN4の分化段階の内でDN3->DN4の分化が障害されていた。この段階ではβセレクションという選択が行われることが知られている。c-Maf Tgの細胞ではβセレクションに必要なT細胞受容体のβ鎖の発現が著減しており、分化障害の一因と考えられた。このように、c-Maf発現の精妙な調節がT細胞の分化に必要であることが明らかになった。一方、c-Maf Tgマウスの脾細胞では濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞の表現型を持つ細胞が増えているが、トランスクリプトーム解析ではBcl-6, CXCR5などTfh細胞に特異的な分子の発現が高くなっていることが確認された。しかし上記キメラマウスの解析から、Tfh細胞の増多はB細胞増多の主要なメカニズムではないと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
c-Mafとβセレクションとの関係など意外な知見が得られている。一方、当初予定していたクロマチン免疫沈降については技術的困難が多く認められる。
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Strategy for Future Research Activity |
腸炎モデルを用いたc-Maf欠損マウスの詳細な解析を勧める。また、今回のスクリーニングにおいて、ヒト、マウス共通でエフェクターメモリーTh細胞で著増していた転写因子について、遺伝子変異マウスなどを用いて機能を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウスの維持、解析に必要な各種試薬の購入、トランスクリプトーム解析、学会出席、投稿論文の英文校正などが中心となる。
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[Journal Article] Serum osteoprotegerin concentration is associated with carotid atherosclerotic plaque in patients with rheumatoid arthritis.2013
Author(s)
Asanuma YF, Shimada Y, Kouzu N, Yokota K, Nakajima K, Sato K, Akiyama Y, Isozaki M, Mikami AS, Kobayashi H, Mimura T.
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Journal Title
Modern Rheumatology
Volume: 23
Pages: 269-75
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Epidermal phospholipase Cδ1 regulates granulocyte counts and systemic interleukin-17 levels in mice.2012
Author(s)
Kanemaru K, Nakamura Y, Sato K, Kojima R, Takahashi S, Yamaguchi M, Ichinohe M, Kiyonari H, Shioi G, Kabashima K, Nakahigashi K, Asagiri M, Jamora C, Yamaguchi H, Fukami K
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 3
Pages: 963
DOI
Peer Reviewed
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