2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルパーT細胞分化と機能発現において転写因子特にcーMafが果たす役割の解析
Project/Area Number |
23591467
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 浩二郎 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10372434)
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Keywords | c-Maf / エフェクター細胞 / メモリー細胞 / ヘルパーT細胞 / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究課題では、Th17細胞分化の過程で転写因子c-Mafの発現が著増したことおよび、c-Mafトランスジェニック(Tg)マウスにおいてTh細胞の表現型がほぼ全てメモリー/エフェクター細胞の表現型になっていることを契機としている。メモリー/エフェクターTh細胞分化のメカニズムを、転写因子の発現解析とその標的因子の同定を通じて理解することが研究目的である。昨年までにヒトメモリーTh細胞のトランスクリプトーム解析を終え、予想通りc-Mafの発現がエフェクターメモリー細胞において強く誘導されていることを見いだした。これはマウスだけでなくヒトにおいてもc-Mafがメモリー/エフェクター細胞分化に重要な役割を果たすことを示唆する。今年度 (1)c-Maf欠損Th細胞(ノックアウトマウスが胎性致死であるため骨髄キメラマウスを作出して解析)、(2)c-Maf Tgマウス由来Th細胞 のトランスクリプトーム解析を行いc-Mafの転写標的の候補を同定した。昨年の知見である、c-MafTgマウスにおけるTh細胞分化異常のメカニズムとしてT細胞受容体の発現が低下していることが原因の一つであると考えられた(Takamatsu, Journal of Saitama Medical University 2014 Mar;40(2):T61-71)。 また、ヒトエフェクターメモリーTh細胞において著増していたc-Mafとは別の転写因子に関しても遺伝子改変マウスを入手して解析を始めている。 これらの解析の間に、炎症性サイトカインによるRANKL非依存性の破骨細胞用細胞分化メカニズムが明らかとなったために報告した(Yokota et al., Arthritis and Rheumatology 2014 Jan;66(1):121-9.)。
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