2011 Fiscal Year Research-status Report
皮膚筋炎発症におけるCADM-140抗原(MDA5)の病因的役割の追究
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23591469
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
佐藤 慎二 東海大学, 医学部, 准教授 (90276238)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 抗CADM-140抗体 / 抗MDA5抗体 / 皮膚筋炎 / CADM / RP-ILD / MDA5 / IFIH1 |
Research Abstract |
本年度は,典型的な皮膚筋炎の皮疹を認めながら,臨床的に筋炎症状がないか,ごく軽度であるClinically amyopathic dermatomyositis (CADM) 患者血清に見出された抗CADM-140/MDA5抗体の経時的な推移の検討をおこなった.同抗体の測定は,我々が確立した酵素結合免疫吸着法(ELISA)を用いておこなった.急速進行性間質性肺炎(Rapidly progressive interstitial lung disease: RP-ILD)を併発したCADM症例を治療反応群と無効群に層別化して,それぞれの群の治療前の抗体価を比較したところ,治療反応群の力価が,無効群のそれよりも有意に低いことが明らかになり,同抗体の治療前抗体価が予後の推定の有用である可能性が示唆された. また,治療反応群と無効群の同抗体の経時的推移についても検討した.生存群は,40-60週という長い経過の中で,抗体価は徐々に減少し,RP-ILDが完全に沈静化した場合には,カットオフ値以下に低下し,同抗体価の正常化が寛解を意味することが示唆された.無効例も,1例を除いて,短期的に抗体価は減少したが,2-10週の時点で死亡した.両群における抗体価の減少は,病勢の沈静化を反映する可能性もあり,さらに症例を集積する必要があると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の予定であった,(1)RP-ILD併発CADM発症とウィルス感染の関連の追究および(2)RP-ILD併発CADMの肺,皮膚組織MDA5およびI型IFNの発現の検討に関しては,予定していた検体の収集が達成できなかったために,現時点では解析可能な検体数に達していない.引き続き,今年度も検体収集を努める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の予定テーマである「RP-ILD併発CADM発症とウィルス感染の関連の追究」および「RP-ILD併発CADMの肺,皮膚組織MDA5およびI型IFNの発現の検討」に関しては,引き続き,検体を収集して検討をおこなう.さらに,平成24年度のテーマである「MDA5によるリンパ球・単球,樹状細胞などの走化性の検討」も平行しておこなう予定である.なお,本年度は,検体数不足のため,必要な試薬などが予定より少なくなり残額が発生した.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き,研究遂行に必要である細胞培養関連試薬(培地,ウシ胎児血清,各種成長因子),蛋白解析試薬(各種標識モノクローナル抗体,EKISAキット),細胞分離装置関連試薬(磁気ビーズ標識抗体,分離用カラム)および遺伝子解析試薬(各種酵素,ベクター,プローブ)など費用の大半は消耗品に当てる予定である.前年度からの繰越額は,検体の集積により上記消耗品の必要量が増えることが予想されるため,今年度の費用と併せて使用する予定である.
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Research Products
(7 results)