2013 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚筋炎発症におけるCADM-140抗原(MDA5)の病因的役割の追究
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23591469
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
佐藤 慎二 東海大学, 医学部, 准教授 (90276238)
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Keywords | 皮膚筋炎 / 間質性肺炎 / 急速進行性間質性肺炎 / 自己抗体 / 抗CADM-140抗体 / 抗MDA5抗体 |
Research Abstract |
本年度は,抗CADM-140/MDA5抗体陽性の急速進行性間質性肺炎(RP-ILD)を併発した皮膚筋炎(DM,臨床的に筋症状のないCADM症例も含む)に対する大量ステロイドおよびエンドキサン間歇静注(IVCY)/シクロスポリンA(CyA)併用療法の治療効果・転帰と抗CADM-140/MDA5抗体価の推移ならび同抗体測定時期との関連を検討した.胸部CTで肺病変の評価が可能であったRP-ILD併発DM患者10例中8例で治療は有効で,有効例(生存例)では治療後に同抗体価は有意に低下し,全例で正常化した.平行して間質性肺炎(ILD)の改善を示すCTスコアも有意に低下した.無効例(死亡例)では,同抗体価およびCTスコアの低下は認めず,同抗体価はRP-ILDの活動性を反映し,治療効果の評価に有用であることが示唆された.また,これまで経験した同抗体陽性のRP-ILD 併発DM19例を,初診時に同抗体を測定して直ちに治療を開始した群と治療開始後あるいは死亡後に後ろ向きに測定した群に層別化すると 前者では11例中9例 (82%)が生存していたが後者では8例中6例(75%)が死亡し(P = 0.024),同抗体測定はRP-ILD併発DMの予後改善に寄与することが示唆された. 前年度まで,同抗体測定がRP-ILD併発DMの診断に有用であること,またELISAでの抗体価が病勢と平行し,治療効果の判定や生命予後の推定に有用であること,さらにウィルス感染と密接に関連する血清IFNα,β濃度がILD併発DMの疾患活動性の指標となる可能性を見出したが,今年度までの成果の集積は,本研究の目的である同抗体および対応抗原であるMDA5の病態への関与の追究という観点からウィルス感染によって誘導・発現されるMDA5並びに抗CADM-140/MDA5抗体が同病態に深く関与していることを示唆している.
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Research Products
(11 results)