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2012 Fiscal Year Research-status Report

気管支喘息重症化に関わる気道リモデリングの成立機構解明:上皮間葉移行制御

Research Project

Project/Area Number 23591471
Research Institution独立行政法人国立病院機構三重病院(臨床研究部)

Principal Investigator

藤澤 隆夫  独立行政法人国立病院機構三重病院(臨床研究部), その他部局等, 教授 (20511140)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 細木 興亜  独立行政法人国立病院機構三重病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (90422831)
戸田 雅昭  三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10202201)
GABAZZA Esteban  三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00293770)
Keywords気道リモデリング / 好酸球 / 上皮間葉移行 / 喘息 / TGF-β1
Research Abstract

平成23年度に確立したEol-1ないしヒト好酸球による上皮間葉移行(EMT)誘導モデルを用いて平成24年度はEMTのメカニズムについて検討した。Eol-1ないしヒト好酸球と気道上皮細胞の共培養を48時間行い、培養上清中のTGF-β1濃度をELISA法にて測定した。共培養群はそれら細胞単独群と比較して培養上清中のTGF-β1濃度は有意に増加した。次にTGF-β1の細胞内下流シグナルのSmad3の活性化についてWestern blotting法にて調べた。気道上皮細胞の総Smad3に対するリン酸化Smad3の割合はEoL-1ないしヒト好酸球と共培養を行うことにより有意に上昇した。上記共培養実験を抗TGF-β1中和抗体の存否下で行ったところ抗TGF-β1中和抗体の存在は培養上清中のTGF-β1の産生を抑制し、気道上皮細胞の形態学的変化 (EMT)は認められなかった。Boyden chamber法を用いた系、EoL-1ないしヒト好酸球を4% paraformaldehyde(PFA)にて固定した実験系ではいずれもTGF-β1産生増強並びに気道上皮細胞の形態学的変化 (EMT)は認められず、生理活性を有するEoL-1ないしヒト好酸球の気道上皮細胞とのdirect contactが必須であることが判明した。種々の細胞内シグナル抑制剤を上記共培養系に添加したところ、本実験系のEMT誘導に必須であるTGF-β1の産生はPI3 kinase inhibitor、JNK inhibitorで抑制された。以上より、EoL-1ないしヒト好酸球による気道上皮細胞のEMTはEoL-1ないしヒト好酸球の生理活性、気道細胞へのdirect contactが必須であり、シグナル経路としてTGF-β1 – Smad3依存性、PI3 kinase, JNK pathway依存性であることを見出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度は平成23年度に確立したEol-1ないしヒト好酸球による気道上皮細胞上皮間葉移行(EMT)誘導モデルを用いて、当初の計画に沿ってEMTのメカニズムについて検討した。
Eol-1ないしヒト好酸球による気道上皮細胞の共培養系における培養上清中のTGF-β1は高値を示し、気道上皮細胞のSmad3は有意にリン酸化を受けていた。TGF-β1はEMTの主要な誘導因子として知られており、抗TGF-β1抗体を用いて上記共培養を行ったところTGF-β1の産生並びにEMTは抑制された。更にBoyden chamber、 paraformaldehydeを用いて上記実験を行ったところ、本系におけるTGF-β1産生はEol-1ないしヒト好酸球の気道上皮細胞とのdirect contact、Eol-1ないしヒト好酸球の活性化に依存することを見出した。様々な細胞内シグナル抑制剤を用い上記共培養系を行ったところ、本共培養実験におけるTGF-β1産生増強はPI3 kinase、JNK pathway依存性であることを見出した。
以上よりEol-1ないしヒト好酸球による気道上皮細胞EMT誘導モデルにおける主要な細胞内シグナルの検討、EMTの抑制方法の検討という平成24年度の計画は概ね達成できたと考える。

Strategy for Future Research Activity

平成23、24年のin vitroの研究成果からin vivoにおいても好酸球は気道上皮にEMTを起こすことが予想される。平成25年度は野生型マウスを用いて好酸球が気道上皮細胞にEMTを引き起こすin vivoの実験系の確立を目指す。野生型マウスの骨髄細胞を分離し、IL-5、SCF、Flt3 ligandを用いた好酸球精製培養法にて多量のマウス好酸球を生成し、野生型マウスの気管内に投与する。血液、気管支肺胞洗浄液(BALF)、肺組織を採取し、血液はサイトカイン、ケモカインを、BALFは炎症細胞数とその内訳、サイトカイン、ケモカインを測定する。肺組織は色素染色、免疫染色、蛍光免疫染色を行い、炎症、線維化、EMTを評価する。この方法により気管内好酸球由来EMT in vivoモデルの確立を目指す。平成24年度の研究計画は概ね遂行できたため現時点で研究計画の変更の予定はない。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度の研究費使用計画として、物品費は主にマウス、研究試薬と消耗品(マウス購入費用、マウス維持費、培養用試薬、Western blotting用試薬、RT-PCR用試薬など)に費やす予定である。旅費は国内学会発表のため、人件費・謝金は研究協力者(主に血液提供者)に対する図書カード購入に充てる予定である。

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Published: 2014-07-24  

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