2011 Fiscal Year Research-status Report
多剤耐性緑膿菌感染症を制御する新しいシステムの構築-RNAiによる耐性遺伝子阻害
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23591479
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
平松 和史 大分大学, 医学部, 准教授 (80301381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 淳一 大分大学, 医学部, 教授 (50233838)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | siRNA / 緑膿菌 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
緑膿菌の多剤耐性化に重要な役割を果たすβラクタマーゼIMP-1の遺伝子であるblaIMP-1の発現をRNA干渉によって抑制することがin vitroにおいて可能であるかどうかを検討するために、siRNAの作成準備を行った。blaIMP-1の塩基配列からsiRNA候補となる約40種類のオリゴヌクレオチド配列の決定を行った。この際、細菌におけるRNA干渉に関する文献は少ないため、ほ乳類の細胞系を標的としたsiRNAの設計方法を用いて配列候補の選択を行った。こうして得られた配列候補のなかで、開始コドンの50から100ヌクレオチド下流の領域で、GC含量はおよそ50%となるような配列を検索し設計した。現在オリゴヌクレオチドの合成を行っている。またsiRNAの菌への取り込みが最も効率的となる方法の検索については、本研究開始前にsiRNA用として作成した緑膿菌線毛蛋白遺伝子であるpilAのオリゴヌクレオチドを用いて検討を行った。オリゴヌクレオチドの濃度と緑膿菌PAO-1株の菌量を変化させ最適な組み合わせを検出する検討を行ったが、緑膿菌線毛の働きであるtwitching motilityを20%程度は抑制するものの、より効果的に抑制する組み合わせは見出せなかった。さらにelectroporationによるsiRNA導入も様々な条件下で導入実験を行ったが、過去の基盤研究(C)「緑膿菌Twitching motilityの遺伝子機能阻害―RNAiによる治療(研究代表者:門田淳一)」において報告された導入効率より、優れた条件は見出せなかった。現在liposome化による導入実験を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度においては、siRNAの設計・作成および効率的な細菌内へのsiRNA導入法の検討を行う予定であったが、原核生物でのsiRNAの設計法は確立しておらず、難航した。またsiRNA導入効率も十分な効果を得る導入方法・条件を見出すことができなかったため、本研究全体としての達成度は「やや遅れている」ものと評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に作成予定であったblaIMP-1のsiRNAに用いるオリゴヌクレオチド作成を行い、導入実験を実施する。liposome化などにより緑膿菌内への最適なsiRNA導入方法について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に作成できなかったオリゴヌクレオチド合成を外部企業に依頼する。またreal time PCR試薬などの消耗品の購入を行い、平成23年度からの繰り越し分を含めて研究費の使用を計画している。
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