2014 Fiscal Year Annual Research Report
多剤耐性緑膿菌感染症を制御する新しいシステムの構築-RNAiによる耐性遺伝子阻害
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23591479
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
平松 和史 大分大学, 医学部, 准教授 (80301381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 淳一 大分大学, 医学部, 教授 (50233838)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | siRNA / 緑膿菌 / 薬剤耐性 / IMP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成23~25年度の本課題において緑膿菌メタロβラクタマーゼIMP-1遺伝子blaIMP-1に対するsiRNAを設計し、それらにcholesterol、glucose、methionineを修飾し、IMP-1に対する阻害効果を検討した。しかしながらいずれのsiRNAもCAZとの混合培養でIMP-1産生緑膿菌に対する十分な増殖抑制効果は認めなかった。平成26年度は本研究予定期間(平成23年度~25年度)を1年間延長し、菌量やsiRNA投与量などを変更し、各修飾siRNA+CAZをIMP-1産生緑膿菌に作用させる実験を繰り返し行った。siRNAを新規に作成した後、同様の実験を行ったところ、cholesterolを修飾したsiRNA(5μmol)+CAZ(64μg/ml)作用群で培養開始後、6時間でほぼIMP-1産生緑膿菌を検出できないという結果を得ることができた。またcholesterol修飾siRNAのみをIMP-1産生緑膿菌に作用させても緑膿菌の増菌を認めていた。こうした結果は、新規に作成したsiRNAがIMP-1遺伝子発現に抑制的に作用しIMP-1の産生を制御することで、CAZの効果が得られたものと推測された。こうした結果が普遍的なものであるかどうかを確認するため、再度同じ配列のsiRNAを合成し実験を繰り返したが、cholesterol修飾siRNA+CAZ作用群でCAZのみを作用させた群に比べて1/10程度の菌量の低下は認めたが、それ以上の効果は認めなかった。数回にわたりsiRNAを新しく合成し、その効果を検証したがいずれのsiRNAにおいても緑膿菌の十分な増殖抑制効果は認めなかった。こうした結果はsiRNA+CAZによって増菌を抑制した結果の際のsiRNAの合成過程で何らかのIMP-1阻害物質が混入していた可能性が考えられた。
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