2013 Fiscal Year Annual Research Report
補体制御因子の糖化より検討した被嚢性腹膜硬化症の病態解明と治療戦略
Project/Area Number |
23591482
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大澤 勲 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60407252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 洋之 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30130438)
恩田 紀更 順天堂大学, 医学部, 助教 (60465044)
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Keywords | 補体 / 腹膜中皮細胞 / 補体制御因子 |
Research Abstract |
(1)腹膜組織の収集と検討:腹膜透析患者の腹膜組織の採取、腹膜組織の染色による炎症所見及び補体の沈着が確認され、補体活性化経路のすべて(古典的・レクチン・第2経路)の活性化が確認された。また、腹膜透析導入以前より腹膜の糖化があり、さらに透析導入により糖化が亢進することが確認された。 (2)in vitroで、培養細胞を用いて補体活性化の検討 1)ヒト尿細管上皮細胞(PTEC)を用いた補体活性化経路の検討:ヒト腹膜中皮細胞の検討に先立ち、実績のあるPTECで実験系を確立した。PTEC上では補体(プロパジン(P)、ファクターH(fH)、C3、MAC)の沈着が血清濃度依存的に認められ、血清由来の補体の沈着及び第2経路の活性化の関与が示唆された。さらに、P、fHの単独添加ではPTECへの濃度依存的な沈着を認めたが、混合添加では、競合的な沈着は示さなかった。また、血清添加前にPを先行添加すると、C3及びMACの沈着が増強したことから、第2経路及びProperdin direct pathway(PDP)の活性化の関与が示唆された。さらに、PTEC上では補体活性化を介したviabilityの低下が示された。 2)ヒト腹膜中皮細胞での補体の活性化の検討:上記プロトコルを踏襲して行った。25%血清添加によりPの沈着は認めなかったが、fHのわずかな沈着を認め、C3及びMACの沈着を認めた。また血清添加前にPを添加すると、Pの沈着とともに、C3及びMACの沈着が亢進した。このことは、腹膜中皮細胞上で補体活性化が起こることが示され、また、Pの先行添加による補体のAP及びPDPの活性化の亢進が起こる可能性も示唆された。腹腔内では恒常的に炎症が起きており、浸潤した炎症細胞が腹膜局所でPを産生することにより、補体の活性化を亢進する可能性が示唆された。
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