2011 Fiscal Year Research-status Report
C.difficileと腸管内常在菌による腸管上皮細胞活性化の制御
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23591484
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
太田 康男 帝京大学, 医学部, 教授 (80292936)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | C. difficile / フラジェリン / TLR5 / トレランス / tcdB |
Research Abstract |
C. difficileは、病院内で発生する下痢症で、もっとも頻度の高い起炎菌である。C. difficile感染を制御するためには、C. difficileの腸管への定着を遮断し、無症候性のC. difficileキャリアを断つ必要がある。しかしながら、C. difficileが腸管へ定着する分子機序および腸管に定着し、免疫寛容(キャリア状態)を維持する分子機序については、ほとんど不明のままである。申請者らは、C. difficileのフラジェリンを単離し、腸管上皮細胞に発現するTLR5を介して細胞を活性化すること、およびその活性化機序を解明した。またトキシンであるtcdBとフラジェリンの両方で細胞を刺激すると、その活性化が増強されること、およびその分子機序を明らかにした。本研究は、従来の申請者らの研究を発展させ、C. difficileと腸管内常在菌による腸管上皮細胞活性化および活性化抑制の分子機序の解明を行うことを目的としている。平成23年度は、C. difficileと腸管内常在菌による腸管上皮細胞の細胞障害性の検討を行うためのシステムの確立を行った。すなわち、種々の濃度のC. difficile をT84モノレイヤーに加え、腸管上皮細胞の細胞障害性を検討した。またC. difficileフラジェリンによる腸管上皮細胞のトレランスの誘導では、腸管上皮細胞をフラジェリンで刺激後、種々のPAMPsで刺激し、ケモカインの産生を指標として、トレランスの誘導の有無を検証した。これらの基礎データを基に、平成24年度の研究を推進していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は、システム確立のための基礎研究を行うにとどまった。今回の研究の前提となった研究を投稿したが、その論文の改訂に予想外の時間を要したこと、および研究室の新大学棟への移転に際し、移転時期の数カ月研究が十分遂行できなかったことが主たる要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究室が新大学棟に移転となり、研究を再開できる環境となった。平成24年度は、平成23年度の研究計画のやり残しを含めた研究を行うことを目標とする。すなわち、C. difficileと腸管内常在菌との共存による腸管上皮細胞の細胞障害性の有無を検討し、細胞障害性の程度とC. difficileトキシン産生量との相関を中心に解析する。またC. difficileフラジェリンに着目し、TLR5を介する腸管上皮細胞のホモトレランス、腸管内常在菌とのクロストレランスを検証する。さらに動物モデルを立ち上げる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度未使用の物品費は、平成24年度に繰り越して使用する。また平成23年度未使用の旅費は物品費に振替使用する予定である。その他は当初の計画通り使用する予定である。年度初めに全額支給が補償されていなかったため、23年7月の外国旅費を使用せず、繰り越しとなった。
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