2011 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮前駆細胞を用いたモヤモヤ病の病態解析ならびに遺伝的因子の解明
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23591502
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石崎 義人 九州大学, 大学病院, 助教 (20572944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥巣 浩幸 九州大学, 大学病院, 助教 (10398076)
吉良 龍太郎 九州大学, 大学病院, 特任講師 (70304805)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | もやもや病 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
研究費採択後、RNF213遺伝子のp.R4810K変異がもやもや病の感受性遺伝子であることが報告された。現有サンプルである日本人もやもや病患者79人(孤発例62人、家族例17人)、類もやもや病5人および健常対照 127人。末梢血単核球より分離したDNAを用いて、RNF213遺伝子のintron 32に存在し感受性変異の近傍にあるSNP(rs7224239)についてTaqMan SNP Genotyping Assayを用いて遺伝子型を決定した。統計解析はカイ二乗検定またはFisher正確確率検定を用いた。マイナーアレルであるAアレルを有する割合が、もやもや病患者(孤発例、家族例)および類もやもや病患者で有意に高かった(2.0 x 10 -16、4.3 x 10 -8、0.02)。また、rs7224239のAアレルがp.R4810K変異と関連していた。もやもや病患者28名から末梢血単核球をLSM(ICN社)を用いて分離し、ラット1 型コラーゲンコート6 ウェルディッシュプレート(BD Biosciences)を用いて10%胎児ウシ血清と抗生剤を添加したEBM-2 メディウム(Cambrex)で培養したところ、6名でECFCの培養が確認され、表面抗原(CD31, CD105, CD34)についてフローサイトメーター(BECKMAN COULTER)を用いて検出した。マイクロアレイデータによるpathway解析(Co-regulation解析)ではRNF213の機能としてviral infectionやinflammatory responseが推定される結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もやもや病患者由来のECFCに関しては計画では10名であったが6名から分離培養に成功した。統計解析は可能な数であり、RNF213の機能解析による病態解明に利用可能と考える。RNF213が疾患感受性遺伝子として報告されたため、ECFCを用いたマイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析から、RNF213に関心をおいたpathway解析(Co-regulation解析)に変更したところ病態への関与が示唆される炎症、ウイルス感染との関連を示唆するデータが得られ、これに関しては計画以上の進展と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
RNF213は遺伝学的にはもやもや病感受性遺伝子と考えられるが、変異を有しても発症していない例もあり、RNF213の機能解析による病態解明が待たれている。現段階ではcell lineを用いた解析を計画しており各種刺激によるRNF213遺伝子発現の変化やシグナルの変化を解析する予定である。interactionする遺伝子が判明すれば患者対照研究やダイレクトシークエンスによる遺伝学的なアプローチも実施可能である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度の予算はほぼ計画的に使用出来た。H24年度も引き続き培養関連試薬(EBM-2 メディウムおよびラット1 型コラーゲンコート6 ウェルディッシュプレートなど)、遺伝子定量試薬(RNF213、その他)、PCR 用試薬、シークエンス関連試薬についても実験計画からほぼ当初の予算どおりの使用になると推測している。
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