2012 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮前駆細胞を用いたモヤモヤ病の病態解析ならびに遺伝的因子の解明
Project/Area Number |
23591502
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石崎 義人 九州大学, 大学病院, 助教 (20572944)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥巣 浩幸 九州大学, 大学病院, 助教 (10398076)
吉良 龍太郎 九州大学, 大学病院, その他 (70304805)
|
Keywords | もやもや病 |
Research Abstract |
九州大学病院に通院中のもやもや病患者で、文書による同意が得られたものから全血を採取し、末梢血単核球をLSM(ICN社)を用いて分離した後、ラット1型コラーゲンコート6ウェルディッシュプレート(BD Biosciences)を用いて10%胎児ウシ血清と抗生剤を添加したEBM-2メディウム(Cambrex)で培養し、血管内皮前駆細胞を単離培養した。細胞表面の抗原(CD31, CD105, CD34)をフローサイトメーター(BECKMAN COULTER)を用いて検出し、血管内皮前駆細胞と同定した。これにサイトカイン刺激を加えて培養し、RNeasy Micro Kit(QIAGEN)を用いてmRNAを抽出後、High Capacity RNA-to-cDNA Kit(Applied Biosystems)を用いてcDNAを合成し、RNF213の遺伝子発現に差が生じるか否かをStep One Plus(Applied Biosystems)を用いて比較検討したが、もやもや病患者と健常コントロールの血管内皮前駆細胞の間に有意な差はみられなかった。現在前年度のマイクロアレイ解析のデータを元に、RNF213の発現を調整する因子について検討を行なっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNF213の機能解析について血管内皮前駆細胞を用いた検討を行えている。通常時の発現には有意差がみられなかったので発現を調整する因子について検討を行い、有意差を認めている。マイクロアレイ解析のデータと合わせて機能に関わる分子群について相互関係を検討中であり、ほぼ計画通りに実験を遂行できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
もやもや病の病態を解明する上で、遺伝的な候補遺伝子であるRNF213遺伝子の発現を調整する因子や、相互に関係する分子群を明らかにすることは、治療法の開発においても非常に重要である。患者血管内皮細胞内でのRMF213を中心とした分子ネットワークは遺伝子発現やタンパク質レベルで解析中である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度の予算はほぼ計画的に使用出来た。H25年度も引き続き培養関連試薬(EBM-2 メディウムおよびラット1 型コラーゲンコート6ウェルディッシュプレートなど)、遺伝子定量試薬(RNF213、その他)、PCR 用試薬、シークエンス関連試薬についても実験計画から ほぼ当初の予算どおりの使用になると推測している。
|