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2011 Fiscal Year Research-status Report

溶血性尿毒症症候群に合併する急性脳症の発症を防止する分子免疫的治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 23591512
Research InstitutionWakayama Medical University

Principal Investigator

南 弘一  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60301438)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉川 徳茂  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10158412)
鈴木 啓之  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80196865)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords溶血性尿毒症症候群 / 急性脳症 / ケモカイン
Research Abstract

平成19-21年度の科研費「溶血性尿毒症症候群(HUS)に合併する急性脳症の発症におけるグリア細胞の研究」成果から、志賀毒素(Stx)によってヒトアストロサイトから発現促進されたケモカインが急性脳症の発症に関与する知見が得られたため、ケモカインをターゲットにCannabinoidsを用いたケモカイン産生抑制などの分子免疫療法の研究を計画した。CannabinoidsはインドアサCannabis sativaに存在する有機物質で、様々な薬理作用をもち、脳実質内での免疫細胞機能を変化させる作用、炎症性サイトカイン発現を抑制する効果、さらに虚血性脳障害での神経保護効果やグリア細胞での抗炎症作用を示す。HUS脳症時にCannabinoidsを投与し、ケモカイン産生を抑制することで病状の進行を軽減できるという仮説を立て、ケモカイン抑制効果を分子生物学的なレベルで証明し、HUS脳症の治療薬開発を導く。平成23年度は研究計画に従い、ヒトアストロサイトでStx2刺激によるケモカイン発現ならびにケモカイン濃度を測定した。Real-time PCR法を用いて、MIP-1α、CINC-1、CX3CL-1の発現を定量的に調べた。いずれのケモカインもStx2刺激で発現促進を認めた。また細胞培養液中のケモカインにおいても、産生増加を認めた。各種濃度でのStx2による刺激によりヒトアストロサイトの核内抽出物は抽出キットにより採取している。現在は転写因子NF-κBの活性化を検討中である。またStx刺激した培養細胞のLysatesを採取し、タンパク濃度を測定している。ポリアクリラマイドゲルで電気泳動を行い、IκBキナーゼ抗体を用いて、タンパク発現の検討を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

平成19-21年度の科研費「溶血性尿毒症症候群(HUS)に合併する急性脳症の発症におけるグリア細胞の研究」を論文に投稿した。査読者から、ヒトアストロサイトに発現するStxレセプター(Gb3)について、私たちは免疫染色法を用いたが、FACSを使った検討結果も求められたため、追加実験を行った。また、免疫染色についても、コントロールにPBSを使用したが、別のコントロールでの染色を指示されて、追加実験を行った。本研究課題以外に、前研究での追加実験が多く、達成度は遅れている。

Strategy for Future Research Activity

HUS脳症の治療薬開発に向けて、ケモカインが脳症発症・進展にどうような役割をするかは重要な研究課題である。研究課題の推進方策としては、アストロサイトの培養を計画的に進める必要がある。現在の研究者3名で行っているが、グループ大学院生も本研究にも参加するようになり、順調に進むものと思われる。本年度の研究費では、実験の主体となるWestern blotの抗体やメンブラン、細胞培養液、ELISAキットなどを使用する予定である。Cannabinoids以外のケモカイン抑制物質があれば、それも実験課題に含めて検討していく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度予定であった実験をまず中心に行う。Stxの刺激でCannabinoidsを投与して、IL-8, MCP-1, MIP-1α, CINC-1, CX3CL-1などのケモカインの発現抑制をreal-time PCR法を用いて検討する。また、培養液中のケモカインをELISA法で測定する。さらに、Cannabinoids antagonist投与により、ケモカイン発現抑制阻止効果もreal-time PCR法やELISA法を用いて行う。昨年度から引き続き、Stxによる転写因子(NF-κB)の影響およびCannabinoids投与による抑制効果の検討を行う。またStxによるMAPKシグナル伝達系への影響およびCannabinoids投与による影響についても検討する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Constructive Interference in Steady State (CISS)-MRI法が診断に有効であった 前頭蓋底髄膜脳瘤の1例2011

    • Author(s)
      南 弘一, 五嶋文彦, 中尾直之, 大川都史香, 田村 彰, 泉 鉉吉, 木岡直美, 津田祐子,大松泰生,赤井美津代,吉川徳茂
    • Journal Title

      小児科臨床

      Volume: 64(8) Pages: 1887-1890

  • [Book] サルモネラ脳症 小児科臨床ピクシス28 急性脳炎・急性脳症2011

    • Author(s)
      南 弘一
    • Total Pages
      207-209
    • Publisher
      中山書店

URL: 

Published: 2013-07-10  

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